〈宮野 野乃花〉
優奈さんが皆をお風呂場に連れて行って
そしたら
奈央さんが聞いた
あの日...まだ自分の能力が何なのか知らなかった
両親は重力を操るとだけ教えてくれた
今考えてたら知ってたのかもしれない
幼い頃は一気に使えないから
意外すぎると危ないから...だから
だから重力を操る能力とだけ教えてくれてたんだ
お父さんはものを操る能力
お母さんは気体、液体、固体を操る能力
何か一つだけに集中した能力じゃなかった
そう考えたら私は力を操る能力だと言われても違和感は無い
こっちに来てと言われついて行くと
ある1つの部屋に来た
そこの部屋は一風変わっていて
研究施設みたいだった
言われるがままに従っていると
何かに繋がったものを腕に着け
さらに小さいものを指に着けた
そしてしばらくパソコンを見つめて奈央さんは言った
初めて自分の能力を知った時
とてつもない不安に襲われた
力を操る能力、自分にそんな事が出来るのか
重力もまともに操れなかった自分に
そうして
私たち7人の能力が分かった
奈央さんは優奈さんに事情を話してくれた
だから記憶が無い事に関して6人には黙っててくれた
そして私たちが中学になる時
奈央さん達が教えてくれた
2人が殺し屋だと言うことに
その日はなんだか特別だった
別にご飯が豪華だったとかではない
ただ...2人が
私たちのそばに居てくれるってだけで嬉しかった
まぁでも
そんな幸せな日も長く続かなかったんだけどね
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。