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第81話

落ち込み次女の慰め方【姉妹愛】
ロゼッタ
…なにしてんのよ
セレナ
…………
すこし散歩をして部屋に戻った時。
部屋に入ってすぐ、横に気配を感じた。
慣れた気配だったので誰かはすぐに分かったものの、一応確認のために横……というより、下に目を向けた。
案の定、そこには体育座りで顔を俯かせた妹、セレナがいた。
またなんか落ち込んでるわね……
ほんと、繊細なんだから…
ため息をついてセレナの横に腰をおろす。
ロゼッタ
…で?なにがあったわけ?
セレナ
……べつに、なんでもない
とりあえず聞いてみたものの、返答は予想通りだった。
セレナは昔から、落ち込んでる時は同時に機嫌が悪くなる。
というか、拗ねる。
いつも誰かをからかってはニヤニヤ笑ってるくせに、こういう時はしめっぽいんだから。
仕方ないわね、と思いながら、手に魔力を込めてぽんっと一輪の花を出した。
「ん、」とセレナに渡してみたが、ちらりと一瞥した後また顔を腕の中に埋めてしまった。
いつもはこれくらいすれば機嫌がなおるんだけど。
となると今日は相当くるものがあったのかしら。
セレナの性格上、こういう時無理に詳細されることをよく思わない。
尚更困る。
ほかの妹たちは何かあると話を聞いて欲しくてぽつぽつ話すのだが、セレナの場合落ち込むと心を閉ざしてしまう。
アタシを除けば四つ子の中で1番姉のくせに、心が弱いのよね。
……セレナは強い。
アタシなんかより、よっぽど強い女。
けれど、強い分だけ1回に刻まれる傷が深い。
強いのに、弱い。
本当に難解な性格してる。
パールよりも嘘で誤魔化すのが上手いセレナを慰めるのははっきり言って難しい。
その後もセレナが好きな本を持ってきたり、ラムネを持ってきてやったりしたけど、一向にセレナの機嫌が直る気配は無い。
ロゼッタ
…………はぁ〜………
さっきよりももっと深くため息をつく。
それを聞いたセレナがぴくっと肩を震わせた。
きっと、アタシを怒らせたと思ったんだろう。
どこまでアタシを冷たい女だと思ってんのよ。
大事な妹が傷ついてんのに怒るような馬鹿な姉やってるつもりはないわよ。
……セレナの機嫌を直す方法。
じつは、ひとつだけある。
……絶対にやりたくなかったけど。
落ち込んでんのもこっちの調子が狂うし、最終手段として使うことにした。
ロゼッタ
セレナ
セレナ
……、
ロゼッタ
セレナ。顔上げなさい
名前を呼んでも反応すらしない。
少しだけ声を低くして、もう一度呼ぶと、セレナは怯えたような、潤んだ瞳でおそるおそるアタシの顔を見た。
瞬間、
セレナ
…………っ!ふっ……あはははははははッ!!
ちょ、ちょっと待って、その顔はっ……!
はんそく、だって……!!あ、ははははっ……!!
セレナは腹を抑えて笑いだした。
息が苦しそうなほど笑い、とにかく笑った。
しまいには、腹を抱えて笑いながら倒れてしまった。
セレナの機嫌を直す方法、最終手段。
…………そう、アタシの変顔。
妹にしか見せたことは無いけど、よく分からないが壊滅的に面白いらしく、見せた時は必ず笑い転げる。
セレナ
ひ、ひひっ……!!ふ、はっ……!!
ぉ、お腹痛い……!!あはははははッ!!!
ロゼッタ
はっ、やーっと笑ったわね
ふっと笑って転げ回っているセレナを見下ろすと、今更気づいたとでも言うようにピタリと止まり、目を見開いた。
セレナ
……あ……
まったく、もう。
呆然としているセレナの頭をぐわしぐわしと撫でた。
ロゼッタ
長女舐めんじゃないわよ?アンタくらいいつでも笑顔にしてやるわ
そう言ってニカッと笑ってみせる。
セレナは驚いた表情をしたあと、また瞳を潤わせた。
セレナ
……うぅ〜〜っ
ロゼッタ
なによ、まだ泣くの?
アタシにあんな顔させておいて、それを無駄にしたらただじゃおかないわよ!
さらに乱暴に、しかし優しく頭を撫でてやると、セレナは泣いていた。
でも、笑っていた。
綺麗な紅い瞳から涙を流しながら、いつもとは違う、幼い笑顔だった。
……手間のかかる妹。
けれど、だからこそ、大切で、大好き。
セレナにつられてアタシを笑った。
2人で理由もなく笑った。
たくさん笑った。
セレナはもう泣いていない。
泣いた理由なんて忘れて笑った。
アタシにはこれくらい余裕よ。
だって、この子たち妹達の姉なんだから。