第5話

~Part5~
10
2020/08/23 03:36
鳴兎
鳴兎
あのさ、長が待ってるからそろそろ…
夢未来
夢未来
あ、そうだね
じゃあ三人共、行くよ
莱閼
莱閼
了解
薊
了解です!マスター!
時雨
時雨
承知致しました、マスター
夢未来
夢未来
あ、夢鈴、絲の事宜しくね
夢鈴
夢鈴
うん!なんとかする!
絲
は?何とかって……
鳴兎
鳴兎
時空超越ディメンション!!!!!!
鳴兎が唱えた瞬間、僕達は屋敷から消えた。
正確には、屋敷から出て長の所に行ったんだけど。
長さん
長さん
あ、鳴兎お帰り
そしてお待ちしておりました、桜巴様
夢未来
夢未来
普通立場逆じゃない?
莱閼
莱閼
いや合ってるよ大丈夫だようん
長さん
長さん
桜巴様、そのお二方は…?
夢未来
夢未来
この二人?
薊、時雨、挨拶できる?
薊
えっと、薊です!
蝶族で、逃げていた所をマスターに助けて貰いました!
時雨
時雨
時雨です
同じく蝶族で、マスターに命を救って貰いました
長さん
長さん
蝶、族…!?
莱閼
莱閼
不思議な話だと思わない鳴兎?
あんなに力が強い蝶族がまさかの…
長さん
長さん
弟様、実はこちらでも蝶族の情報を調べていまして…
やっぱり、そうよね。
蝶族は僕達と同じ遺伝型能力者で、常人の攻撃ではそうそう死ぬ事はない。
ーーなぜあれだけいた蝶族が、たった二人になってしまったのだろうか。
それが皆不思議で堪らなかった。
長さん
長さん
実は、調べた所“龍族”が関係しているようで
夢未来
夢未来
龍族?どうして同盟族の龍族が蝶族を?
時雨
時雨
薊
ぁ……
莱閼
莱閼
なんか最近あったみたいだね、二人の顔見ればなんとなくわかるよ
長さん
長さん
龍族を操るにはとても難しいので、恐らく自ら襲撃に行ったかと…
夢未来
夢未来
…。分かった、ありがとう
モブ兵1
モブ兵1
おい!待て愚民!
???
い、やだ!…僕は愚民じゃない!!
モブ兵2
モブ兵2
何を言っている!……ってあ、待て!そっちは!
バン!と扉を開く音を立ててとある星兎は姿を現した。
長さん
長さん
こら!お前達!客人がいるんだぞ!
モブ兵1
モブ兵1
す、すいません!!
モブ兵2
モブ兵2
お前、行くぞ!
???
嫌!嫌だ!!!
夢未来
夢未来
ーー兵隊さん、ちょっとこの子借りてもいいかしら?
モブ兵1
モブ兵1
あ゛あ゛!?
長さん
長さん
お前、その口調は…!
その瞬間、星兎を捕まえていた男の人の口から大量の血が出てきた。
モブ兵1
モブ兵1
!?ああああああああああああああああ!!!!!
夢未来
夢未来
ーー死にさらせ
莱閼
莱閼
あらら~、君、大丈夫?
???
は、はい…
長さん
長さん
棄亜
“棄亜”と呼ばれた少年(?)は体をビクつかせ、恐る恐る顔を上げた。
棄亜
棄亜
は、はい…
夢未来
夢未来
ーー成る程ね、星兎では珍しい同色の瞳なのね
本来星兎は僕のように眼の色が別々…オッドアイにならなくてはならない。
だが稀に、同色の眼をする子もいる。
恐らくこの子も幽閉されていたのだろう。
それなら、僕の決断は一つーー
夢未来
夢未来
長さん、僕が言いたい事って分かりますか?
長さん
長さん
ーー棄亜を、桜巴家が預かると…
夢未来
夢未来
ええ、もし駄目なら無理強いはしない
莱閼
莱閼
いや脅してるようなモンじゃん夢未姉
夢未来
夢未来
結果的に決めるのは、長さんとその子だからね
棄亜
棄亜
ぼ、僕は…
長さん
長さん
ーー棄亜、好きな方を選んでいいよ
棄亜
棄亜
ぇ…?
長さん
長さん
私達はお前に酷い扱いをしていた、だから私達を嫌うのは当然だろう
もしかしたらこの先もっと酷い仕打ちを受けられるかもしれない、そう思うのも無理は無いだろう
長さん
長さん
今までお前の生を縛っていて悪かったと私は思っている
さあ、好きな方を選びなさい
後悔しないように
夢未来
夢未来
ーー確かに、僕の方に着いてくるなら力のコントロール位は自分で制御出来るようにしてあげられる位には出来る
だけど、僕の方に着いてきたら、もうここには暫く戻ってくる事がほぼ不可能になる
それでもいいの?
莱閼
莱閼
おお、辛辣だね
夢未来
夢未来
うるさい
棄亜
棄亜
僕、は………
棄亜
棄亜
僕は、この人に着いていきます
ーーやっぱり僕の方に来たか。
あんな仕打ちを受けて、それでもここに居たいと思う人はほぼ居ないだろう。
だけどーー
夢未来
夢未来
本当にそれでいいの?
後悔しない?
棄亜
棄亜
ーーはい。僕は絶対、後悔なんてしません
棄亜君の眼は、覚悟をしたような真剣な眼だった。
それなら、その覚悟に応えなきゃだよね。
夢未来
夢未来
長さん、宜しいですか?
長さん
長さん
私は構いません
この子が決めたのなら、私は見送るだけです
莱閼
莱閼
じゃあ、俺は先に帰って準備をしてくる
夢未姉達はまだ会議するでしょ?
夢未来
夢未来
んー、会議っていうか、この子の荷物まとめかな?
莱閼
莱閼
了解~、じゃあまた後でね、棄亜
莱閼は次元超越をし、僕達の屋敷へ戻った。
それからは、棄亜君の荷物やら龍族についてやらを色々としてから鳴兎に送ってもらった。

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