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第3話

#01
54
2018/01/25 12:14
朝練を終え、保育園からの腐れ縁で親友の
宮本 茜(ミヤモト アカネ)と
思い足取りで階段をのぼる。



私たち2年生のクラスは3階にあるため
朝練の後だと階段をのぼるのが余計にきつく感じる。



"暖かい空気は上へいく"
いつしかそんなことを習った。



1階から3階に上がるにつれ
段々と暖かくなっていくのがわかった。



「あ〜 寒い」



茜のその言葉につられ、身震いをした。



まだ12月初旬だというのに
今日の最高気温は2℃。
私の住む町では珍しいことだ。



「もう雪降るんじゃない?」
「いや、さすがに早いって」
「今年こそホワイトクリスマスがいいなあ」
「本当だよね〜 何年前だっけ?」



私たちがまだ小学5年生だった頃。
クリスマスに、雪が降った。



当時の担任は
『サンタさんからのプレゼントだな』
なんて言ってたっけ。



それが人生初のホワイトクリスマスだった。



「じゃあね」
「うん、おつかれ」



茜は6組、私は5組だ。
教室はすっかりヒーターが効いていた。
少し熱いと感じる程、暖かかった。

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