朝練を終え、保育園からの腐れ縁で親友の
宮本 茜(ミヤモト アカネ)と
思い足取りで階段をのぼる。
私たち2年生のクラスは3階にあるため
朝練の後だと階段をのぼるのが余計にきつく感じる。
"暖かい空気は上へいく"
いつしかそんなことを習った。
1階から3階に上がるにつれ
段々と暖かくなっていくのがわかった。
「あ〜 寒い」
茜のその言葉につられ、身震いをした。
まだ12月初旬だというのに
今日の最高気温は2℃。
私の住む町では珍しいことだ。
「もう雪降るんじゃない?」
「いや、さすがに早いって」
「今年こそホワイトクリスマスがいいなあ」
「本当だよね〜 何年前だっけ?」
私たちがまだ小学5年生だった頃。
クリスマスに、雪が降った。
当時の担任は
『サンタさんからのプレゼントだな』
なんて言ってたっけ。
それが人生初のホワイトクリスマスだった。
「じゃあね」
「うん、おつかれ」
茜は6組、私は5組だ。
教室はすっかりヒーターが効いていた。
少し熱いと感じる程、暖かかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。