唯、唯、教えて欲しかった。
どうしてなのか。
何故そうなってしまったのか。
頭が、張り裂けそうになる前に。
教えて欲しかったのに。
貴方は教えてくれなかった。
『アレ』はただのお伽噺。
そう、ただの足枷でしかないモノ。
笑って
泣いて
怒って
哀れんで
狂って
舞って
また、狂って
手拍子を合わせれば、鳴る音楽たち。
一つ、また一つと重なれてく音たち。
それらは、私にとって雑音、不協和音でしかない。
歌えば、続く歌詞。
鳴られる音楽は、やっぱり、不協和音だ。
この、白黒な世界で私は何をすればいい?
何を…
ウタエバイイ?
昔、言われたよ。
「悲しいなら悲しい。苦しいなら苦しい。ちゃんと言いなさい?受け止めてあげるから。」
貴方に言われたかった、その言葉は遠い空に消えていったけれども。
まだ、ここに…
心に残っている。
それを、貴方に伝えたい。
華奢な声と共に。
《ここからは、自分で考えた歌詞です。イヤだと言う方は、下へ高速スクロール。》
♪汗だくで帰ったその日には
思いもよらない華が散っていた。
白が黒へと変わる瞬間。
美しいが、泣く風景たち。
私の思いを乗せてった魔法の絨毯は、ウールを靡かせ消えてった。
朱の夕焼けが消えていく。
私と共に
愛されたいなんて言ったって
愛したいと言ったって
裂ける二人の影
揺れる君の薫りに目を眩ましていく
全てが残響と成り果てるとき
私の心は死んだ。
そんな即興で考えた歌を叫んで歌った。
何分、かかっただろう。
やっぱり、ムリだ。
さよなら、世界。
さよなら、天くん。
大好きだよ。
朱色に染まった高架線は、私を哀れんでいるように見えた。
グシャ…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。