侑佐side
嫌な汗が流れる。
桃寧がもし……
こんな事考えてられない
まふ君が廃工場の扉に手をかける
場は静寂になった。
そして生唾を飲み込む。
ギィイイィ……
そこには………
頭から血を流す香蓮の姿があった。
フラフラで、今にも倒れそうな香蓮…
でも今は桃菜と………
桃菜side
桃寧は今にも壊れそうだった。
体力も精神も
体が追いつけてなかった
私は桃寧と変わって香蓮と戦っていた。
所々からは血が出て痣ができて
パイプをぶつけるごとに腕に響いて痛い
私は限界を迎えそうになった
私が壊れたら桃寧はどうなる
ずっと一人で冷たくなっていくのか?
私のせいで?
そんな事を考えている間に目の前には細長くギラギラと光るパイプがあった
「もう…駄目なのか…ごめんな桃寧…」
目を瞑った時
”桃寧”!!!
私は桃菜なんだけどな…はは…
瞬間体が暖かく優しく包み込まれた
目を開けるとそこにはフラフラの舞がいた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。