お風呂に浸かって体にある傷などを見てみる
今見ると笑えてくるや
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僕は昔
お父さんに見てもらいたくて
振り向いて貰いたくて
褒めてもらいたくて
「よく頑張ったな」
その1言が欲しくて
……でも
いつの日か分かったんだ
「どんなに頑張っても意味がない」
「僕は生まれた時から」
「なにも、期待されてなかったんだ」
そう気付いた
遅いよね
佐々寧より良い点を取っても
佐々寧
区での絵のコンテストで優勝しても
佐々寧
美味しい料理を二人で作っても
佐々寧
ただ、ただ1つだけ
昔に、遠い昔に褒められた
歌を歌う事
お母さんがいた時は楽しかったな
「桃寧、佐々寧、二人は私の宝物よ…」
「桃寧…佐々寧…私の分も……い…きて…?」
「ごめ…んね…こんな母親で…」
「桃寧……普通の子に産んであげられなくて…ごめん…なさい…」
お母さんは父が背負っていた借金の借金取りに刺されて殺された
それを知ったのは
小6の時
僕は父が大嫌いになった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。