ーすぅっ!はぁー!
やっぱり、外の空気は良いなぁ♪
あ、あんなところにベンチがある!
結構遠いいけどあそこに座って見学しよう
ベンチのすぐ後ろは保健室だし♪
ベンチに向かって歩いていた。
その時ー美和ちゃんがこっちに向かって走ってきた
はぁ、はぁと息を切らしている。
美和ちゃんには楽しんでもらいたい。
ー運動をドクターストップされている私の分まで
美和ちゃんはそういってドッジボールに
参加しに行った。
ドッジボールを見たいってのも私の我儘。
青宮くんの活躍している姿を間近で見たかった。
いきなり…頭が…痛いっー
割れちゃいそう…!
こ、呼吸…が…で、き…ないっ!
心臓がー…痛いっ…!
心拍数も……上がって…きてる…
そのままベンチにたどり着くことすらできずに
私は意識を手放そうとしていた。
……………
育を外に出すのはやっぱり怖いな。
楽しんできてよ、私の分まで。
そういわれたけど顔色悪かったし心配だな…
クラスのみんながいるのに
育だって、自分が病気なの知られたくないよね
それに青宮くんには絶対ー。
やっぱり、戻って私も一緒に見学しよう!
そう思い、後ろを振り返り走って育の方へ
戻ろうとした。
ーその時だった。
いきなり足から育が崩れ落ち、頭を押さえる。
そして、胸をぐっと押さえ苦しんでいた
みんなに見られてはいけないとそう思い
自分の知らない速度で走っていた。
育の所にたどり着いたとき、育はほぼ
意識を手放そうとしていたときだった
喋るのも困難なほどで。
幸いなことにクラスの子達はドッジボールに夢中。
その隙に、育を保健室に運び出した
そして、救急車が来たのはすぐのことだった。
でもそのときにはもう育の意識は無かった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!