第116話

涙と想い
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2018/07/01 11:25
育が救急搬送され伸太朗は診察室の前の椅子に座り
じっと、扉を見つめ固まっていた。
1輪のキレイな花を持ったまま
伸太朗
育……
事態を聞き付けた、育のお母さんや流、美和
祐太郎が病院に駆けつけた
お母さん
はぁっはぁっ!!
っ……育……
美和
育……大丈夫かな……?
いつも、育が倒れたときは皆もちろん心配し
駆けつけてくる
しかしー今回は違かった
息を切らし皆青ざめた顔で、泣きそうな顔で
扉を見つめる。
それもそうだ。
ーもしかしたらもう、育に会えなくなってしまう
かもしれないからー。
祐太郎
シン!!!
大丈夫だったか!?
伸太朗
兄……さん
思わず、伸太朗の目からは涙が溢れる。
祐太郎
おいおい……勘弁してくれよ…
男なんだから…な、泣くなっ…よ
伸太朗
兄さんだって…泣いてる…じゃないか
人のこと……言えねぇ……ぞぉ…?
兄弟そろって涙を流し始める
祐太郎
あ、あれ?
シンその花は……?
伸太朗
コレか……………?
育が倒れてるの発見した時
育が手にもっていた花。
何で……こんなもの持ってたんだよ…?
白き花は輝いてみえるほどキレイだ。
その時だったー
診察室から一人の看護師さんが出てきた
ひな
皆さん…来てたんですね……?
丁度良いです…
お話があります……
とても、とてもー重要な……。
この廊下ー全てが嫌な空気に囲まれる。
ーイヤだ。そんなの……聞きたくない。
伸太朗
絶対……イヤだ……
美和
え?
伸太朗はそう呟くと突然倒れた。
ちょっ……おい!
シンタロー!?!?
しっかりしろよ!
祐太郎
聞きたくないあまり……
それかショックすぎて気絶…。
頼りねぇ……男だ…
ひな
い、一応病室に運んでおきますね
育ちゃんと同じ所に運んで
あげてください
ひなさんは診察室の中に呼び掛けると二人の
看護師さんが出て来て担架で伸太朗を運んでいった
ひな
では、皆さんには
お先に話しておきます……
……………………………………………
なんだろうかー……………
すごく嫌な……夢を見ていた気がする。
でも……オレは……泣いていたのかー?
泣いたあとがある……………。
じゃあ今はー夢……?
現実は……
伸太朗
そんな訳ねぇじゃん
育は……オレが守るって
未来を作っていくって約束しただろ
しかしーここはどこだろうか…?
白……だな……
伸太朗は歩みを進めていく。
するとー
伸太朗
あれは……育か……!?
やっぱり大丈夫なんだな!
良かった……!
伸太朗は駆けていく。
育はー笑っていたんだ。
一人の突っ立って伸太朗を呼んでいるかのように
伸太朗
育っ!!!
良かった……………
育のもとにたどり着き
その頬に触れようとしたー。
フワッとー、かすった。
伸太朗
な、んでだ……?
なんでお前に……触れられない!?
何度も何度もー育に触れようとするがまるで3D
のように育が見えているような気もしてー。
そしてついには……淡い光を放ちながら消えた
伸太朗
育……なんでだよ……
伸太朗は一人白き空間に座り込み涙がを流す
そしてついに気づくー『これは夢だ。』
『はやく現実に戻って目を覚まさなければ』ーと

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