第12話

その優しさに
506
2018/03/27 11:57
育が運ばれて、二時間が経った。
クラスは救急車が来たことに興奮ぎみていて。
一部の人間は育がいないことに不信に思っていた
美和
あぁ…なんで…。
私が毎回…いなくなったら
育は倒れて…。
私は育のこと守れないの…?
心で思っていたことがつい口にでていた。
伸太朗
ねぇ、谷ヶ家…さん
いいかな…?
絶対ー聞かれてた。今の。
屋上へ行き、青宮くんと曇り空を、眺める
この空、今の私の心みたい。
育を、守れない自分の役に立たなさ。
曇っている自分の心を見ているようだった
美和
話ってーなに?
伸太朗
あぁ…。美澄さんの事で。
いないからどうしたのかなー
青宮くんがそう言いかけたとき
美和は大声を出していた
美和
それ以上言わないでっ!!!!!
伸太朗
ー!ごめん!
美和
あっ…あなたは悪くない
ごめんなさい。
伸太朗
ーもう聞かないから。
もし話せるときが来たら
言ってくれる?
俺のー好きな子のことは
知っておきたいんだ
そう言い残し、青宮くんは屋上から去っていった。
ほんとーほんとに育のことが好きなんだね…。
でも、病気のこと知ったら…。
美和
ふぅ…うぅぅぅぅっ!
育ぅ…っひっく育ぅっ
育と青宮くんのことを思うと…
涙がっ止まらないよぉぅ…
美和は屋上で1人、涙を流していた。
…………………
美和
っー…?
あ、れ…ここは…
目を覚ますと、保健室にいた。
よう、美和。
美和
っ!九条…くん
どうしてここに…
お前がバカみたいに顔
ビッショビショに濡らして
泣きながら寝てるもんだからよ
連れてきてやった!
ニカッと流は笑う。まるで少年のように
美和
って、見たの!?
わ、私の泣き顔っ!
サイッテー!
るせーっ!
ここに連れてくんの
大変だったんだぞ!
わざわざ背負って…感謝しろよ!
美和
ごめん!重かったよねっ!?
あぁ、重かった
美和
はぁ!?お前は
デリカシーの欠片もないの!?
ぶっ!ウソだって!
悪かった、悪かった!
ーそこまで心配しなくて
いいんじゃね?美澄のこと
何があんのか知らねーけど
美和
えっ…?
すると流はわしゃわしゃっと美和の頭を撫でる
美和
ちょっ!何すんのよっ!
目を開くと流が目の前にいた。
ぶつかってしまいそうなほど
元気でたか?
ほら、教室戻るぞ
そういって流は先に保健室を出ていった
美和
何よ…。
かっこよく見えちゃうじゃない…
美和は頬をほんのりと赤く染めた

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