スッと、いきなり目の前にプリンが。
顔をあげるとー
そう言って笑顔を浮かべる。
ー久しぶりに見た…その笑顔を。
すごく安心する
美和ちゃんや九条くんのすがたが見えない
そうだよ。
伸太朗の言うとおりだよ。
今回は長すぎる。
伸太朗には隠さず全てを話そう。
今の関係が壊れてしまう可能性があるのは怖い…
だけど…
私は決めたんだ。
生きてーみんなと過ごすって。
涙がでそうだ。
ー伸太朗を突き放しているようで。
せっかくいやな顔をしないで来てくれているのに
っー!!!
こんな私でも愛してくれる人がいるー
私が前を向いてー立ち向かわなきゃいけないのに
そう言って、二人は頬を赤く染めたー。
そして、久しぶりにそっと優しいキスを交わした
自分じゃ届かない。
ドサッとベッドの側の机に置く。
ボソッと伸太朗が呟いた。
すでに日は沈んでいる
プリンを頬張りながら言う。
ひなさんに聞いてみよう。
ー伸太朗と少しでも長くいたいから。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!