少し歩くと、何回か見た風景にたどり着く。
そして、四人は1つの前に立った
この前にあげたハナミズキは萎れている。
そしてー伸太朗のネックレスは雨風に吹かれ
錆が目立ち始めていた
美和はそっと繋愛を前にだした
流は冷静な声で繋愛に話しかけた
繋愛の一言で美和も伸太朗も流もびっくりする
繋愛はいつも笑顔だ。
そこはとても育に似ているー。
繋愛といると育といた日々を思い出すー。
その時ー
伸太朗の携帯の着信音が鳴り響いた
伸太朗は険しい顔をし電話を切った
流は笑顔で伸太朗を見送ると美和と繋愛も
笑顔で手を振ってくれる
それをみてー羨ましい……と思ってしまった。
もしも育が生きていたらオレにもこんな家族がー
なんて、思ってしまった。
オレが掴めなかった幸せを流は掴んだ。
少し恨んだりしたこともあったけどー
みんなが幸せでいることが育の願いだ。
オレが、首を突っ込めることではない。
ー育、オレはもう一度
会いたいよ。
話したいよ。
笑顔が見たいよ。
伸太朗って呼んでくれよ。
好きだよって顔を真っ赤にして言ってくれよ。
お前の全てがーまだ鮮明に脳裏に……残っているんだ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!