病室<804号室 青宮 祐太郎 様>
そんなーね…。
そんなわけないよね…?
そう思いドアを開こうとしたー。
少し開いたところで話し声が聞こえた。
小さな声で呟く育
何をいっているんだ…。
ああいうことを言う人は一人しかいない。
やはりー青宮 祐太郎間違いない…。
私のことを…恐怖のどん底へと落としいった人ー。
育は気になりドアの隙間から覗いていた。
そしてー
祐太郎とひながー
いや、祐太郎がひなに急に抱きついた
気づけばー病室に入っていた。
祐太郎の脚には包帯が巻かれており手はギプス。
あのときー伸太朗が「家族でも容赦しない」
そう言って祐くんに立ち向かっていった。
まさかーそこまでヒドイことになってたなんて…
ひなが首を傾げる
まさかーこの病院にいたなんて…。
そういってひなさんは部屋を出ていった。
ー二人きりとなった804号室は静けさに溢れる
そう、たった一人のお兄さんなんだから。
そう言って、病院から駆け出す。
ーバレたら私と伸太朗の関係を壊されちゃうのかな
ー私が病気で…長くー生きられないこと…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。