第32話

知り合い
377
2018/04/15 05:07
病室<804号室 青宮 祐太郎 様>
そんなーね…。
そんなわけないよね…?
そう思いドアを開こうとしたー。
少し開いたところで話し声が聞こえた。
なんだろ…?
小さな声で呟く育
ひな
体調は大丈夫ですか?
祐太郎
あぁ、大丈夫だ。
ひな
あと、痛いところとかは
ありませんか?
祐太郎
はい、心が痛いです
ひな
はい?
何をいっているんだ…。
ああいうことを言う人は一人しかいない。
やはりー青宮 祐太郎間違いない…。
私のことを…恐怖のどん底へと落としいった人ー。
育は気になりドアの隙間から覗いていた。
そしてー
祐太郎とひながー
いや、祐太郎がひなに急に抱きついた
ひな
へっ!?
あのっー祐太郎くん!?
祐太郎
オレーあなたのことが…
ちょっ、ちょっと待って!!!
気づけばー病室に入っていた。
祐太郎
なっ…育…ちゃん!?
どうしてここにー
祐太郎の脚には包帯が巻かれており手はギプス。
祐くん…!?
どうしたんですか!?
そのー姿っ!
祐太郎
いや、どうしたも何も
シンにやられたんだよ。
育ちゃんも知ってるだろ?
遊園地でボッコボコにされたの
あのときー伸太朗が「家族でも容赦しない」
そう言って祐くんに立ち向かっていった。
まさかーそこまでヒドイことになってたなんて…
ひな
育ちゃんー!
目を覚ましたのね!よかった!
それで、祐太郎くん、育ちゃんと
知り合いなの?
ひなが首を傾げる
えぇ…あ、まぁ…
まさかーこの病院にいたなんて…。
ひな
あ、もうこんな時間!
育ちゃんの色んな準備しなきゃ!
それじゃあ!育ちゃんまた後でね
そういってひなさんは部屋を出ていった。
ー二人きりとなった804号室は静けさに溢れる
祐太郎
なぁ、育ちゃん
あのときはーごめんな?
オレ…ホント情けねーな
いいえ、いいんです。
きっと、伸太朗も恨んでなんか
ないと思いますよ。
家族なんですし。
祐太郎
そうだな…シンと仲良くな?
それとーシンのこと頼んだよ
そう、たった一人のお兄さんなんだから。
祐太郎
ねぇ、育ちゃんなんでここに
いるんだ?
それにーその服…
あぁ!私、ひなさんに用があったのに
忘れちゃった…!
お大事に…!
そう言って、病院から駆け出す。
ーバレたら私と伸太朗の関係を壊されちゃうのかな
ー私が病気で…長くー生きられないこと…

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