伸太朗は、3棟804号室へと向かった。
そして、祐太郎が口を開く。
なぜだー、なぜ育がここにいることを知ってるんだ
いや、詳細は…ここに育がいることの理由は
知らないはずだ。
ーいや、兄さんは思った以上に育の事を見ている
やっぱり…気づくのも時間の問題かもしれない。
きっと育のことだ。
兄さんには知らせるわけがない。
自分の体のことをー。
きっと知ってしまったらオレらの関係を壊すー
そう思うはずだ。
考え事してたら誰の言葉も耳に入らなかった
兄さんの推理はー正しい。
正しいというか、もう答えを知っているように。
確かに兄さんは昔から勘も良かったし推理も得意で
何もかもお見通しのようだった。
その言葉にドキッとする。
ー引き離されるのかー?
ーオレらの今の関係は無くなるのか?
ー親か…。確かにそうだな。
親にバレたら1番危険だよな………。
そう、話しがあってきたー。
それは…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。