第4話

君を、夢の中で
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2018/03/24 04:24
ずっと、真っ白い、ただ白に染められた空間が
続いていた。
どこまで歩いても。
そして、歩き続けた日色に出会った。
それは、それはそれは吸い込まれそうなほど
きれいな青空と、君がいた。
君はー誰?
君は答えない。 
ただ、きれいな青空を見上げて吸い込まれそうな
きれいな瞳に、爽やかな笑顔を浮かべていた
私は、美澄 育。
君の名前が知りたいな。
やっぱり、君は答えない。
ここはー、どこなの?
不思議な所だね。
真っ白い空間なのにあたたかい所だね。
私は、座っている君の隣にそっと座った。

キレイだね…
爽やかな風が吹いている。
ーふと君の顔を見る。
会うのはー初めてじゃない。
見つめていると、君はフッと笑ったような気がした
…………………………
っああっ!
ゆ、夢……
バサッ!と布団をどかす。
白に染められた空間…。
ここはー保健室…?
横を見ると、青空のみえる窓。
そして、椅子に座った美和ちゃんがいた
美和ちゃん…?
声をかけるが、返答は無し。
こくん、こくんと頭が動いている。
ー寝てる。
私が、起きるまで待っててくれたんだ…。
ありがとう美和ちゃん。
ー少し寝させてあげよっかな。
保健室には、誰もいない。
ふと窓を見る。
夢の中と同じようなきれいな青空だ。
ーあっ、あの子…ぶつかった男の子だ。
思い出した…。
外には、入学式を終えた1年生たちが下校していた
あの子…いないかな?
知らないうちに、探すようになっていた。
夢で見たあの吸い込まれそうな瞳と
爽やかな笑顔。
それだけが見たくて。
胸があっつくなるようで。
でも、これは恋じゃないと心に言い聞かせた
きっと、恋をしてしまったら元には戻れない
と解っていたから。

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