204号室は、パニック状態に陥っていた。
育の容態が安定はしない…
あの薬ー。
育もできるだけ使いたくはないはずだ。
そうだ…。
育ちゃんはー迷っていた。
生きるかーどうか。
でもとっくに育ちゃんの中では決まっていたはずだ
『生きる』って。
それなのに相談役である私が…変わろうとしている
育ちゃんの希望を奪おうなんて
サイテーだね…私、看護師失格だよ…
…………………………
全力を尽くし、闘った二時間半。
この、闘いで発生する身体への影響もこれから
出てくる。
今まで通りの生活を送るにはーどのくらいの時間が
かかるのだろうかー
…………………………
なんだか、ひどく長い間眠っていた気がする
窓を見ると日が沈みかけていた。
そしてー自分の回りには寝たときにはなかった
機械が多数あった。
そしてー脚が…動かなかった。
全身に力も入らない気がする。
それにやけに、だるい。
手も小刻みに震えている。
ひなさんは一瞬戸惑った顔をした。
そしてすぐに笑顔を浮かべた。
育の頭にははてなマークが浮かぶ。
…一体何が寝ている間に…?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!