第35話

未来のために医者は命をかける
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2018/04/17 11:53
204号室は、パニック状態に陥っていた。
育の容態が安定はしない…
ひな
先生ぃぃっ!
育ちゃんの痙攣が止まりました!
ですが…脚の麻痺、発熱は
収まりません!
先生
点滴の準備だ!
薬を…あの薬を体内に入れよう
ひな
あの薬ーですか?
でも身体の力が…
奪われていっちゃうんですよ…!?
あの薬ー。
育もできるだけ使いたくはないはずだ。
先生
だが、今使わなくてどうする!?
お母さんと約束しただろ!?
育ちゃんを出来る限りの力で
支えるって!?
先生
育ちゃんを…今殺す気なのか!?
育ちゃんはー一生懸命変わろうと
してるんだろ!?
看護師が希望を奪って…
どうするんだ!?
医者はー未来のために命をかけろっ!
そうだ…。
育ちゃんはー迷っていた。
生きるかーどうか。
でもとっくに育ちゃんの中では決まっていたはずだ
『生きる』って。
それなのに相談役である私が…変わろうとしている
育ちゃんの希望を奪おうなんて
サイテーだね…私、看護師失格だよ…
ひな
薬、投薬します。
看護師、点滴の準備をー!
全力を尽くしなさいー!!
育ちゃんは死なせないっ!!!!
…………………………
全力を尽くし、闘った二時間半。
ひな
先生ぃっ!!!
育ちゃんの…容態が安定しましたっ!
発熱はまだありますが…影響は…
死に影響はありませんっ!
みなさんお疲れ様でしたっ!
ー育ちゃん、お疲れ様
先生
よし、これからも全力を尽くすぞ。
育ちゃんの未来のためにー
この、闘いで発生する身体への影響もこれから
出てくる。
今まで通りの生活を送るにはーどのくらいの時間が
かかるのだろうかー
…………………………
っー…うぅっ…!
なんだか、ひどく長い間眠っていた気がする
ひな
育ちゃん!
おはよう…いやもう
おはようじゃないかな…
窓を見ると日が沈みかけていた。
そしてー自分の回りには寝たときにはなかった
機械が多数あった。
そしてー脚が…動かなかった。
全身に力も入らない気がする。
それにやけに、だるい。
手も小刻みに震えている。
ひな…さん、何が…あったの…?
ひなさんは一瞬戸惑った顔をした。
そしてすぐに笑顔を浮かべた。
ひな
ごめんねー。
もしかしたら今まで通りの
生活を送るには多分時間が
かかっちゃうかもしれない。
ーでも育ちゃんはすごく
頑張ってたんだよ。
育の頭にははてなマークが浮かぶ。
…一体何が寝ている間に…?

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