目を覚ますと、いつもと違う、白い天井。
えーっと・・俺・・・
あ、そうや。しげと屋上行って、その後看護師さんに怒られて、しげの担当医もさすがにまいってたんやっけ。
って!
今何時!!
がばっと起き上がると、隣のベッドにしげがいた。
机の上には昨日摘んだ花と、紙を置いたまま眠っちゃってた。
伸びをしながら起き上がって時計を見たら、10時を指していた。
今日は大分寝れた。仕事やったらえらいことになってたな、
そう思いながらふと、自分の枕もとを見たら、メモが置かれてた。
ー手袋買いに出てます。濱ちゃんのご飯、買ってくるな。淳太より
あ、淳太君、来てくれてたんや。
しげのベッドの隣に椅子を持って行って、はだけたタオルケットをかけてやる。
ー「濱ちゃん・・・大好きや・・・」
昨日、しげが小さく言った言葉。
嬉しかったんやで。
照れくさそうやったし、多分、あんまり聞かれたくなかったんやろうけど。
しげ、俺も大好きやで。
きついこと言ってしまったり、分かってあげられないこともあったり、
しげやって、悪戯ばっかでふざけるし、
辛いのに全部我慢して、いっぱいいっぱいになってあふれてからじゃないとこっちは気付けへんし、
でも、しげのことが大好きや。
お前のあかん所も含めて、全部。
やってさ、しげと出会って、毎日ほんまに楽しいねんから。
そんな言葉、いつかちゃんとしげに届けられるやろうか。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。