第88話

濱田side
1,039
2019/01/27 13:00
ー「うわー!でかい!」


ー「すごー!!」




歓声にも似た、みんなの声が響く。




7人でした、二度目の花火の後、高台に行って近くであった花火大会を見た。





開催されている場所からは少し離れているけど、ここでも十分、楽しめる。

遮るものが何もないから全部見えるし。




こんな穴場やのに見に来ている人はほぼおらず、

7人一列に並んでぎゃーぎゃー騒いでる。







本当は、「近くで見たい」ってしげのリクエストだった。


でも、最近入院が多くなって、不調続きのしげを連れて行くわけにはいかなかった。





行かせてあげたかったな、


そう思いながら見たしげの背中には、神ちゃんと流星がついこの間買ってきたブランケット。

肩をずっと淳太に支えられて。



でも、しげは本当に楽しそうだった。


みんなで花火をやっている時も、しげは煙を吸わないように少し離れてて、ほとんど自分で花火も持てなかったけど、


それでもずっと笑顔で、声あげて笑ってた。




7人、いつの間にか呼び捨てで呼び合うようになった名前も、少し新鮮で、あの頃よりも楽しかった。








ードーン!!


終わりに近づいてるのか、ひときわ大きな音が響く。


神山
ひゃー!!
1番端の照史と、神ちゃんは、顔を時々見合わせてずっと驚いてた。
小瀧
俺こんなでっかいん見たん初めてかも
そう言って目を輝かせっぱなしの望に、しげを気にしながらもずっとニコニコしてる流星。
重岡
でかーい!!すごーい!!
終始騒ぎっぱなしで拍手するしげと、その隣でちょっとビクビクしてる淳太。





誰がその話をしだしたのか、どうしてそんな話になったのかは分からへんけど、

花火がドンドンなってるなか、話題は俺らの夢の話になった。






「もう一度7人で舞台をしたい。」


そう言ったのは、舞台が苦手だった望。

流星
またあの演技指導の先生来るんちゃう?
小瀧
え!!それは嫌や~!
「もっといろんな番組をしたい。この7人にしかできない番組」


そう言ったのは神ちゃん。

小瀧
全国ネットのレギュラーやりたいなぁ
楽しそうに言う望に、神ちゃんもうんうん、と頷く。
桐山
俺さ!どのくらいまで食べれるかっていう企画やってみたい!おいしいもん尽くしで!
中間
それ照史だけやん、おいしいん
小瀧
ほんまや!俺ら何するん?見てるだけ?
桐山
応援してくれたらええねん、照史がんばれーって!
拳を上げる照史に、
神山
嫌やわ、そんな企画。全然おもんない
なんてばっさりな神ちゃん。









笑い声が響いて、少しの沈黙の後、

中間
しげは?しげはなにがやりたい?
淳太の声が響いた。

プリ小説オーディオドラマ