プリ小説

第64話

濱田side
久々に7人そろった夜ごはん。


でも、なんか見えない壁があるみたいで、

なんというか、よそよそしいというか、気を遣いすぎというか。




なんやろう、この嫌な空気。


どうしたらええんやろう。




延々そんなこと考えていたら、淳太君のスマホが鳴り響いてハッと顔を上げた。




濱田
淳太君、電話なってる
本人は電話に気付かないほどうわの空で、そう言うと慌てて電話に出た。
中間
はい、中間です。・・・はい、はい・・・え・・・!?

少し離れた所で電話に出た淳太君は、だんだんと顔を上げていく。


小声でしゃべっていたしげも照史も黙って、みんなが淳太君の方を見た。




淳太君は電話を切ると、「ふぅ」っとため息をついて、その後少し笑って僕らを見た。



濱田
・・・どしたん?
中間
・・いや・・、マネージャーからで・・再来月から関テレでレギュラー決まったけど大丈夫かって・・・。




一瞬しんとなって、
桐山
ほんま!?
照史の耳をつんざくような声が響く。


小瀧
嬉しい!俺らのレギュラーなん!?すごいやん!!
桐山
なぁ!すごいで!!

喜ぶ照史と望も、よっしゃって拳握っていたしげも、周りのあまりの静けさに笑顔が消えた。


桐山
え!?なんで喜ばへんの!?え、待って?話の意味分かってない?
笑交じりの声に、神ちゃんの、「分かってるよ」って低い声が響く。



流星
・・・嬉しいのかもしれへん・・・、でもなんやろ・・、喜ばれへん
中間
ごめん・・・俺のせいや
流星にかぶるように言った淳太君は、右手で前髪をぐしゃっとおさえた。


中間
イライラしてて・・それぶつけてもうて、

神ちゃん、いっつもほんまにごめん・・・


神ちゃんの名前が出て、今度は神ちゃんの方に視線が行く。


神山
別に・・謝ってほしいわけちゃうけど・・・
そう低い声で言った神ちゃんは、言い終えて頭を掻きながら深いため息をついた。


神山
・・・ほんま、俺の方こそごめん・・。
いっつも余計なことばっかり言って。
頭を下げた神ちゃんは、顔を上げて淳太君をまっすぐ見た。
神山
でも、分かってほしい。

理解できひんのは分かる、当たり前やと思う。
でも、・・・俺やってしんどい時あるねん。しげやのんちゃうほどちゃうよ。二人に比べればしんどいなんて言われへんかもしれへん。

でも、みんなとは持ってる体力が違う。

忘れんといてほしい。
涙を一筋流して、もう一度、ごめん、と頭を下げていった神ちゃんの言葉は、紛れもなく、俺らが聞こうとしなかった神ちゃんの本音。


そんな神ちゃんに、珍しく泣きじゃくって謝る淳太君に、見ている俺らまで泣きそうになる。






重岡
俺、夢やってん。

ふいに響いた声に、淳太君も顔を上げた。



重岡
俺な、ジュニアの時から、この7人で番組出来たらええなぁって思ってた。
しんどいのか、背もたれに深く腰掛けたしげが、目を潤ませて、でも柔らかく笑った。



重岡
無理やって、思っててん。

俺、こんなやし。

こんなに生きれるなんて思ってなかったし。




・・・みんなのおかげや。
ふわっと笑ったしげは、目を閉じて、しんどそうに俯いた。


でも、嬉しそうに口元をゆるませて、

重岡
どんな番組やろ・・・面白いんがええなぁ・・
なんて呟いている。



そんなしげの額に手を当てた照史は、「すごい熱」って心配そうになる。


「照史君の手冷たい」って笑ったしげがふせた目から、涙が零れ落ちた。




重岡
照史君、どんなんやと思う・・?・・大食い選手権やったら照史君活躍できるな・・・

人一倍敏感で、俺らの気まずい空気を今までなんども勘付いてきたしげは、


こんな時でも笑わせようとする。



素なのか、それともそうじゃないのか、もう俺にもわからへん時もあるけど、





こいつは、俺らが笑ってるのが1番の幸せ。




それだけは分かる。





桐山
それって俺がデブやから?って何言わせとんねん!!
しげと照史のやり取りに、神ちゃんも流星も、みんな笑顔になって、




久しぶりに、元の7人に戻った気がした。



やっぱり、これがいい。

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みかん
みかん
WESTの太陽みたいなしげがだいすき。  くいだおれ太郎くんが大好き田舎の関西人