志麻side
こっからセンラ探さなきゃなんないの?てか入ったばっかのメイドって屋根裏でネズミと格闘しながら寝たりするんでしょ?
いや〜入ったばっかのメイドにはさすがに会わないんだろうなぁ…。
トントン
本名言えへんよな…なんて言おう…
うらた、名前借りるね。
中に入り、内装を見る。
やはり国のトップの家は違うなぁ。俺のとこも広いけど、この家にすっぽりおさまりそう。
メイドの後ろを着いて歩くと、廊下の突き当たりに大きな扉が見えた。
ガチャっと音をたててドアが開く。
その奥にとんでもないオーラを持つ男が座っていた。
切れ長の冷酷そうな黄色の目、透き通った鼻筋、薄紅色の唇に綺麗な金髪。
なんとも美しいこの男が、センラなのだろうか。
センラが俺の方に近づいてくる。
やばい…なんかバレた?
俺は慌てて頭を下げた。
センラが俺の顎を掴んで顔を見る。
センラに一礼し、部屋を出た。
前を歩いていたメイドが階段を上がる。
メイドは何も答えなかった。
後ろから殺すぞゴラァ
え?これって…広すぎない?こんなとこ使っていいの?
そんなとこ使って俺殺されないかな。
バタン
広いな…ここに1人か…
うらたさんはどうしてるかな。仕事、まだ終わんないかな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。