この世の中は吸血鬼で溢れかえった
街を夜遅い時間に歩くと腹を空かせ暴走した吸血鬼に襲われることが珍しくない
暴走した吸血鬼に襲われると
体の血を全て吸われて死に至ることがある
この世の中の人間は百億分の一の確率で
伝説の血を持ち生まれてくる者がいる
吸血鬼達は味の好みがあるが、皆その血は誰でも好みに合い、
怪我や病気をしている時に飲めば治るという不思議な血だった
伝説の血を持つものは十八歳になったら吸血鬼だけがわかる甘い香りを放つようになる
吸血鬼はいつもその血を探している
あなたside
あー、今日遅くなっちゃったな
気をつけて帰らないと、
ピロン
もう十八歳か、
早いな...
バッ
ドンッ
誰かから壁に押さえつけられた
チュ...チュー
痛ッ...
何この人...吸血鬼!?
血吸ってる...?
ゴクッ
チュー...
だんだん痛みが気持ちくなってきた...…///
おかしいのかな...
あ、クラクラする
意識...が......
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!