あなたside
それから,警察で色々話とか聞かれて,ようやく帰れると思ったら,もう夜になっていた
もう,怯えなくていいのに,怖くて怖くてしょうがない
「君は,君の手で自分の家族を苦しめたんだ」
もし,ホントだったら……
もう,皆と距離おいた方がいいのかな?
そんなの嫌だ
でも,不安で不安で……
皆は,きっと今の自分が好きなんだと思う
だったら,余計私なんて……
もう帰ったと思ってたのに……
帰り道
いつもみたいに他愛のない話いっぱいして,
この時間,大好きだなー
って思うのに,なんか苦しくて
そんな素振りを,少し出すたびに,
て,聞いてくれる
その返事が,限界になったのは,私の家の前
気がついたら,駿佑に抱きついて,アホみたいに泣いてた
そんな私を,駿佑はただただ抱き返してくれた
落ち着いてきて,「ごめん」って行って家の中入ろうって思ったのに,出てきた言葉は
ごめんなさい
ごめんなさい
私,なんてバカな事思ってたんだろ
駿佑の言うとおり
もっと,駿佑達の事,信じないと
あいつの事,なんで真に受けちゃったんだろ
ううん
私が,今,伝えなくちゃいけないことは
「ごめんなさい」
じゃなくて……
そして,私達は,クリスマスの時のような甘い甘いキスをした
そして,一筋の光が,夜空を駆け抜けていった
そして,新たな恋が動き始めた
ツンデレちゃんと関ジュくん
Fin
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。