ボーダーにスカウトされて、三門市に引っ越して....
もちろん、学校も転校にすることになった。
サイドエフェクトのこともあってか、ボーダーになることを案外すんなり了承したし、
配属された支部の人達もいい人ばかりだから、ボーダーになれて本当に良かったと思う。
でもやっぱり、
新しい環境に馴染めるか不安だった。
学校の人も、ボーダーの人も、みんな初めて会う人。
「はじめまして、村上鋼です。」
転校初日、上手くいかないと思ってた。
冬が終わり、春が始まる。
時期も時期だ。
「(このタイミングで転校してくるのはやっぱりおかしいよな。)」
「それじゃあ、村上くんは白鷺さんの隣の席ね。1番後ろの...空いてる席。」
先生が言った通り、1番後ろのの席を探すと、一席空いており、
『村上く〜ん!こっち!』
その空席の隣の席の女子生徒が、手を振っていた。
「(あの人が...白鷺さんか。)」
俺は自分の席の方まで歩き、
「あの、教えてくれてありがとう。」
と、一言隣の席の彼女に向けてお礼を言った
『いやいや!お礼を言われるほどのことしてないよ!でも、どういたしまして〜』
『それより...村上くん...だよね?私、白鷺あなたって言うの。よろしくね。』
そう明るく笑い、片手を伸ばしてきた。
ほらっ、握手しよ!と言われたので俺は、
「よろしく、白鷺さん。」
そう言い、俺は彼女の手を握った。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!