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第4話

4.

私がお風呂から上がると,テーブルの上に置きっぱなしだったアルバムを見つめる彼の姿があった









上がったよと声を掛けると,余程アルバムに集中していたのか.肩を少しビクつかせる貴方は









懐かしいなぁと独り言のようなものを呟いた.その言葉に反応してそうだねと笑顔で返してみたら









何年もの間合わせなかった.いや,合わせられなかったの方が正しいのかもしれない.









私と彼の目と目があった.









泣いた後の彼はどこかスッキリした顔立ちで居て,そんな顔を見ていたら私までもがスッキリとした気分に









なっていく気がした.









いけめんになった彼に,いけめんになったねという嘘のない私の気持ちを話すと









彼の頬が少し火照った気がした.









泣いていた理由を聞いてみても良いのではないかと思い彼の近くに座ろうと試みる.









そんなタイミングで彼のお腹はぐぅーという音をたてお腹がすいたサインを出した.









今ご飯作るね、そう言って台所に行き冷蔵庫の中のよく冷えた食品を1つ1つ取り出しながら考える









彼の隣にいたのは私だし,彼もそれを何も言わずに受け止めていた.









彼が私の隣に居ることは徐々に当たり前のことになっていき、彼が居ない時私は不安になった.









それは彼が私から離れていくにつれて,慣れてはいけないのに,彼がいないことに慣れていった









そんな長い時間をかけてゆっくりゆっくり掘られていった私達の溝を埋めるチャンスを彼のお腹は壊した.









まぁ、お腹は空くものだから.そう自分に言い聞かせる.









友達を巡って私に伝わったじみんについての風の噂はなんとも言えない衝撃的な事だった.









昔の可愛らしい彼とは裏腹に,ピアスをあけ、髪を派手に染め、挙句の果てには女遊び.









私のじみんのイメージが崩れだしたのはきっとこの時からだったのだろう.








リビングの方から聞こえる彼の声.









俺,心の底から大切な人が出来たんだ.









すこしききとりにくかったけど,確かにそう言った.なら,なんでその人の所へ行かないの??









わざわざ幼馴染という縁を切った私に今更何をしに来たのだろうか.









じみんが話す" 心の底から大切な人 "が私だったらいいなぁ…なんて









淡い期待を抱く.浮かれた私に彼はもう一言.









その子に告白して振られちゃった.









そうだったのか,電話をしてきた時からずっと疑問だった何故貴方は泣いているのかがわかった.









本当に好きな人に振られちゃったんだ.









その人が私だったら多分こんないい男逃すわけがないであろう.









それで??振られちゃったから泣いてて,急に思い出したのが私ってとこか.









所詮私は脇役ですよーだ.









幼稚園の頃から思っていた積もり積もった私の気持ちは









悲しさと現実の掃除機のようなもので吸い取られていった.









思わずお皿を落としてしまった.バタバタと走ってくる彼の驚いた顔を見た時.









このお皿が限定品だったのにも関わらず,驚いた顔をした彼に安い何処でも手に入るやつだから大丈夫









そう言って笑って見せた.









一瞬顔を歪ませた彼はすぐに笑顔になり、気をつけてね.こういった.









分かった.と返事をする.何が分かっただ,何も分からないままのくせに何をいい気になっている.









素直に気持ちを伝えられない,彼に頼ることも出来ない表だけがいい自分に怒りを覚える.









今まで自分の本当の思っていることを表さないのが相手にとっても私にとってもいい事だと思っていた









25歳になって初めて気づいた.









けどきっとこれは遅すぎる.早くも中学から壊死し始めた私の恋愛感情は









彼だけに向けられていたのだから.









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