第12話

11話
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2020/12/31 00:49
海斗side


高校2年の俺に久しぶりに好きな人ができた。

その子は同じクラスの、「月菜」


1年のときも同じクラスで仲良くなったが、気持ちに気づいたのは高2。
月菜は明るく、笑顔が可愛い子。
授業は真剣な顔をして受けてるのに、休憩中は友達とちょっとふざけている。

そんな彼女に俺は惚れたんだ。







お~い、海斗~。
そんなぼーっとしてっと、顧問に怒られるぞ。
海斗
大丈夫だろ。
そんなこと言ってっと、
先生
おーい、海斗ー。何してんだー!!
ほら、言わんこっちゃない。
海斗
さーせん。
うるせぇ~な、ちょっとボーっとしてただけなのに。

え?なんでボーっとしてたかって?
それは、好きな子の部活してる姿見てたからに決まってるだろ。
後輩に教えながら、トランペットを吹く彼女。
その姿はとても綺麗だった。

青空が彼女をより引き立たせていて、目を奪われた。





.ぉ.ぃ...
海斗~?
海斗さ~ん?
海斗
うお、なんだ翔か。
翔か。じゃないよ。次1対1俺らだよ。
海斗
お、そうか。
好きな子に見とれるのはいいけどほどほどにな。
海斗
うるせぇーよ。余計なお節介だよ。
そーですか。手、抜くなよ。
海斗
お前こそ、本気でこいよ。
もちろん。
俺と翔の1対1はワンタッチから始まり、オフェンスの俺が勝負を仕掛ける。

翔はディフェンスがかたくてゴールに持ち込むのが難しいけど、
一瞬をどれだけ早くするかで勝負が決まる。
キュッキュッとシューズと床が擦れる音がする。
海斗
(いける!!)
俺の手から離れたボールは綺麗な弧を描きそのまま吸い込まれるようにリングへ。
海斗
よっし、決まった!!
くっそ!!今日は負けた
海斗
反射神経を鍛えなければねぇ、翔君や。
昨日負けた口が何言ってんだよ。
俺たちが終わった後も喋っていると、

コロコロとボールが転がってきた。
海斗
お、これバレー部のじゃん。
生徒
すいませ~ん!
海斗
ほい、
生徒
ありがとうございます!!
バレー部とバスケ部はコートが隣り合わせなのでよくあることだ。
けど、このボールで俺ら男子バスケ部は取り合いをしている。

理由はただモテたいだけ。
今の子どう思う?
海斗
俺はなし。
いつもそれだな。あ、そうか海斗くんには好きな子がいるもんねぇ。
海斗
お前、マジでいい加減にしろよ。
怖い男は嫌われるよ~
翔はそう一言だけ言い残し練習に戻った。
この恋は俺の片思いなのか?





































生徒
「「ありがとうございました!!」」
部活が終わり、俺はバレー部を待つ。
バレー部はあまり好きじゃないけど、月菜からのお願いだから、行かないわけがない。

別に月菜がいるわけでもない。
ただ、月菜の友達の美奈と一緒に帰ってほしいだけ。
過保護なのか、遅い時間に1人で帰らせたくないらしい。
だったらバレー部の奴と帰ればいいのに。

どうしても帰れない理由があるらしく、
俺がつっこむ話ではなさそうだから、黙って帰っている。

美奈も申し訳なさそうに帰るし。
美奈
ごめんね、海斗。
海斗
おう、帰るか。
美奈
うん。
バレー部からもバスケ部からも視線が痛い。
けど、もう慣れたしな。































美奈
ありがとね、海斗。
海斗
いや、月菜からの頼みだし。
美奈
だから、早く告れって、
海斗
けどさ、フラれたら元に戻れないし。
美奈
上手くいくと思うけどなぁ~
海斗
勝手なこと言うなよ
美奈
もう、両想いなのに、
海斗
海斗
なんか言ったか?
美奈
なんでもない、ありがと。
海斗
またな。
美奈
うん。



美奈を送った後、1人で考えた。

もう、月菜に告白しようかな?
美奈も応援してくれてるし。

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