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第2話

1.
ある日、突然。
不死川実弥
『…もう、俺に関わんじゃねェ。』

……実弥に、別れを告げられた。
満月の日の事だった。

本当に、綺麗で。
綺麗…。
実弥の、優しい笑顔が……情景が、蘇る。
嫌だ。何で?

……何度も呼び掛けた。けど。
振り返ることは無い。

それどころか……無視された。


実弥は、何も言わずに私から背を向けたんだ──…。
* * * *
我妻善逸
ねぇ、あなたちゃん?
今日の朝からずっと変だよ…?
我妻善逸
……音が、しない。何、考えてるの…?
夜風よかぜあなた
……。
後ろの席の善逸に、話し掛けられる。
……キメツ学園、高等部2年生。我妻善逸。

たまに絡む程度の仲で、席が近くなってからは話すことも多くなった友人。
……実弥は、高等部3年生。1つ上の先輩。
いつも、実弥が私の家にまで迎えに来て、私たちは一緒に登校していた。

……けれど。


“もう迎えに行かねぇから、待ったりなんてするなよ”

スマホに届いていた、一通のメッセージ。

そこに書かれている文の通り、今日はいくら待っても実弥が来ることは無かった。
正直、何かの冗談なんじゃないかって思って。
ギリギリまで、ずっと待っていた。

……けど。
いくら待っても、実弥が来ることはなくて。
あぁ、本当に……終わっちゃったんだ。

そう、実感してしまって。
夜風よかぜあなた
ポロポロ……
我妻善逸
えっ!? ちょっ、あなたちゃん!?
夜風よかぜあなた
ッッ……な、何でも…ない……
???
……夜風。
夜風よかぜあなた
……え、?
そこで、善逸ではない誰かに話し掛けられる。
振り返れば、モッサモサの黒髪に死んでるに等しい表情筋。

青色の瞳でこちらを見据える──…冨岡義勇先輩と、視線が交わった。
あれ、何でここに居るんだ…?

一応…今、授業中……。
冨岡義勇
来い。行くぞ。
夜風よかぜあなた
はい…?
相変わらずの言葉足らずに困惑。

何、え……え?
夜風よかぜあなた
と、冨岡、せんぱッッ…
冨岡義勇
俺に何があったか話してみろ。
……何か、力になれるかもしれない。
その言葉でやっと理解する。
冨岡先輩は、私の話を聞こうとしてくれているんだ。

……不器用で、優しい……




……あなた、一生傍に居ろよォ?


──…俺が絶対、幸せにしてやっから。((ニッ



……実弥もそうだ。
不器用で、それで、凄く優しかった。

いつから…いつ、から。
夜風よかぜあなた
あ、あ゙ぁッッ……ポロポロ
冨岡義勇
……夜風…。
目尻に溜まった雫を、大きなその手の指が汲み取った。

……優しい、なぁ。
冨岡義勇
……夜風は……好きなのか?
言葉が足りないが、どういう意味かは何となく理解出来た。

きっと、実弥の事を言っているんだろう。
夜風よかぜあなた
……当たり前ですよ。……愛、してます…。
冨岡義勇
……俺も好きだ。
またしても言葉が足りない…が、きっとまた実弥の事を指しているのだろう。

なんせ、懐からおはぎを取り出しながらそんな事を言っているのだから。
夜風よかぜあなた
……あの、私…そのお萩、食べませんからね?
懐に直で入れた萩など食べたくもない。
私がそう言うや否や、懐から取り出したお萩を自分の口に運ぶ先輩。

……ちょっと引いた。




















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