第21話

第二十話 僅かな星、光を灯して
52
2023/05/22 09:09





【蝶屋敷】






(なまえ)
あなた
ただいま戻りました。
胡蝶しのぶ
ただいま戻りましたー
神崎アオイ

おかえりなさいませ、胡蝶様、天明様。
三人娘
おかえりなさいませ!









柱合会議が終わり、しのぶさんと一緒に蝶屋敷に戻ると、何とも言えない鬼の気配がして少し狼狽えた。
(なまえ)
あなた
っ、はぁ
胡蝶しのぶ
、?あなたさん、大丈夫ですか
(なまえ)
あなた
あ、はい…大丈夫です
胡蝶しのぶ
…あなたさんは敏感なんですね、鬼の気配に
(なまえ)
あなた
…すみません
胡蝶しのぶ
いえ、竈門くんの傷が癒えるまでですから
どうしても辛かったらおっしゃってくださいね
(なまえ)
あなた
、はい


三人娘
胡蝶さまー!天明さまー!!お食事の用意ができてますよー!!
胡蝶しのぶ
…行きましょう。患者の方は病室ですから。
(なまえ)
あなた
…はい(気を使わせてしまって申し訳ないな…)













【夕飯が終わった後】
胡蝶しのぶ
あの、少しよろしいですか
神崎アオイ
、?はい、どうされましたか
三人娘
…?
胡蝶しのぶ
…あなたさんを、禰豆子さんにあまり近づけないようにしてあげてください
神崎アオイ
え、?
胡蝶しのぶ
あの方は、鬼の気配に過敏なようなので…
竈門くんのいる病室には、できるだけあなたさんを行かせないようにお願いします
神崎アオイ
…なるほど…
承知しました。
三人娘
はい!!!
胡蝶しのぶ
ありがとうございますニコ











【その日の夜】
(なまえ)
あなた
竈門炭治郎
ぁ…





…しのぶさんがせっかく気の利いた采配をしてくれたというのに、廊下でバッタリ会った二人であった
竈門炭治郎
…(この人、禰豆子に斬りかかろうとした…!!)
(なまえ)
あなた
…(竈門…炭治郎…)
竈門炭治郎
…どう、されたんですか
(なまえ)
あなた
そっちこそ…ケガが酷いはずじゃ
竈門炭治郎
あ、いやぁ俺は…少し、眠れなくて
今からちょっと庭に出ようかと思ってたところで
(なまえ)
あなた
…そう、奇遇ですね。私もなんです
竈門炭治郎
あぇ…っと…(気まずいなそれは…)
(なまえ)
あなた
…(諦めて部屋へ戻ろうとする)
竈門炭治郎
あ…ちょっと、待ってください!
(なまえ)
あなた
、?(振り返る)
竈門炭治郎
俺も…付いていっていいですか、庭へ
(なまえ)
あなた
ぇ…
竈門炭治郎
少し、話したいことがあって
(なまえ)
あなた
はぁ








【蝶屋敷の塀の屋根の上】







(なまえ)
あなた
…(今日はよく晴れてるな…少しだけど、星も見える)
(なまえ)
あなた
竈門炭治郎
ぁ…(あなたの顔を見つめる)
竈門炭治郎
星を見るの、好きなんですね
(なまえ)
あなた
え、?どうして…
竈門炭治郎
あ、いや…
さっき話していた時とまるで匂いが違かった・・・・・・・ので。
さっきよりずっと、幸せな匂いがします
(なまえ)
あなた
…匂い…
(なまえ)
あなた
…(そういえば、鱗滝さんも鼻がよかったな)
(なまえ)
あなた
、それで?
竈門炭治郎
(なまえ)
あなた
いや…話っていうのは
竈門炭治郎
あ、あぁ!すみません!!
竈門炭治郎
えっと…今日、お館様のお屋敷で、ほかの柱の人たちと明らかに様子が違うなって思ったんです
(なまえ)
あなた
、?
竈門炭治郎
匂いも・・・、一人だけ、何ていうかちょっと違くて…
(なまえ)
あなた
竈門炭治郎
もちろん、他の柱の人たちからも禰豆子…というか『鬼』に対して
憎しみや殺意、そして俺に対しての怒りの匂いがしました
竈門炭治郎
でも、あなたは、俺が禰豆子を『善良な鬼だ』といった時一瞬困惑・・の匂いがして
その後、あの場にいた誰より憎悪のにおいがキツくなった
(なまえ)
あなた
えっ…
竈門炭治郎
何か…鬼と接点があるんですか
俺と同じで『兄弟や家族が鬼になった』とか…
(なまえ)
あなた
っ、!?











ズキン












竈門炭治郎
もし!そうだったら…何か知っていることはありませんか?
俺、禰豆子を人間に戻すために鬼殺隊員になったんです
(なまえ)
あなた
…鬼との接点なんてない、
(なまえ)
あなた
……
竈門炭治郎
、?(最後が聞き取れていない)
(なまえ)
あなた
私は、すべての鬼を斬る事が生きる意味なの
例えお館様が容認したとしても、私は認めない
竈門炭治郎
…そう、ですか
(なまえ)
あなた
…だから、今日君が言ってた『悲しみの連鎖を断ち切る』ってやつ、あれは私がやる
もう二度と、誰一人、私と同じ目に遭わせない
竈門炭治郎
…じゃあ、俺も手伝います!
(なまえ)
あなた
っえ…?なんでそうなるの…?
竈門炭治郎
え?だって…


























竈門炭治郎
一本より、二本の刃で斬ったほうが簡単でしょう?ニコ


















(なまえ)
あなた
…!
竈門炭治郎
…ふぁ…ん、そろそろ眠くなってきました…
竈門炭治郎
話聞いてくださって、ありがとうございました!
(なまえ)
あなた
ぁ、い、いえ…
竈門炭治郎
おやすみなさい…
(なまえ)
あなた
…おやすみなさい












___(炭治郎が部屋へ戻る)


















【あなたの部屋】








(なまえ)
あなた
…(不思議な子だった…)
(なまえ)
あなた
(あとちょっと声が大きい)


竈門炭治郎
一本より、二本の刃で斬った方が簡単でしょう?






(なまえ)
あなた
…二本の刃、か
(なまえ)
あなた
フワ(少し微笑む)














それは、あなた自身も気づかないくらいの僅かなものだったが

















確かにその時、笑顔を忘れた少女の心に

光が灯ったのだった。




















____窓の外には、流れ星が一筋。


































夏華
夏華
それではまた、第二十一話でお会いしましょう!

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