第5話

さて、超能力の話をしようか
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2020/09/15 12:15
私たちの言う『超能力』は、文字通りの意味だと捉えてもらって差し支えない
科学には出来得ないこと────例えば、大人は煙草を吸う時、ライターで火をつける。けど火に関する超能力が使える人間は、ライターなんてなくても自分自身で作り出せてしまう
超能力が一般的になる前までは『魔法』とか呼ばれていたけど、呼び方は超能力で統一された
ここからが本題。まず、1人が持つ超能力の種類について説明しよう
基本、1人につき一種類。まあ火に関することとかで大きく括られているから、火を作り出すだけではなく、火を消すこと、火の勢いを強くすることなど、やれることは多い
それに対し、『癒し』という超能力は若干複雑だ
流血するような外傷を癒すのか、それとも癌や肺炎といった病気を治すのか。こんな風に区切られていたりもする
一言超能力と言っても、そこまで万能ではない
特に治癒なんかは、代償として削られる寿命が少なくない。こんなデメリットだってある。超能力こそ最強だと思われがちだか、実際そんなことはない。無限に生きる生物がいないように、超能力にも限りはある
それに気づかない奴らははっきり言って馬鹿なのである。まあ、これは追々として
実を言うと、前世の世界では1人一種類なんてことは無かった。というか1つだけなんて、そっちの方が有り得ない
私も5つ────水・電撃・飛行・気配察知・治癒────持っていたし
そういえば前世で持っていたこの5つの超能力は、今の私にも受け継がれている。記憶が戻ってすぐ確認したところ、ちゃんと使えた
とまあ、アストロータによる副次的影響もある今世の超能力だが、私は一切介入しないと決めている
何故かって?
こんな扱い受けて、助言してやる方が馬鹿馬鹿しい
このまま、全人類が超能力が原因で滅びていく様を見てみたいものよ
無知な人間は、せいぜい足掻くくらいしかできないでしょう
さあ、いつ気づく?
超能力の真相に。アストロータに蝕まれている自分の身体に

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