るいさんは
私の精神と身体を傷つけてきた
暴言・暴力ばかりで
でも私はそんなのに負けたくなくて
がんばってた
ボコッ バコッ
私は殴られた
身体にあざができても
オッパたちはサセンの仕業だと思っていたらしく
私は笑ってごまかすことしかできなかった
ある日
これ言った瞬間
るいさんが笑った気がした
その日
るいさんは自分の部屋に閉じこもって
作業をしているみたいだった
翌日
私たちメンバーは
楽屋にいて
1時間くらい時間があった
るいさんが急に真剣な顔になって
私は嫌な予感がした
でもなにも根拠がないのに
出しゃばるのは良くないと
黙って聞いていた
すると
( “ ” は録音の声です)
みんなが冷たい目で
私を見てくる
あの時の目は今までに見たことがないくらい
冷たかった
バンッ
私は楽屋を飛び出した
どうして信じてくれないのか
どうして何年もいっしょにやってきた私よりも
途中で入ってきたるいさんを信じるのか
私はひたすら走った
涙が止まらなかった
どこに向かっているのかもわからず
ただあの人たちから離れた場所に行きたくて
必死で走った
気がつけば
私は空港にいた
まさか私
日本に帰ろうとしてた…?
でも、もう帰る場所は韓国にない…
日本に帰りたい…
トントン
肩を叩かれた
そこに立っていたのは…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。