温泉旅行を前日に迎えた。
今日は温泉旅行前日の為かちひろは朝から機嫌がいい。
ちひろは浮かれまくってる。
それがまた可愛いんだけどな。
緑子は意味ありげに微笑む。
いや、何を頑張るんだよ。
と、心の中で突っ込んだ。
泊りだからね、そう言うの期待してしまう。
ちひろはどう思ってるんだろう?
いやいや、だから何を頑張るんだよ。
ちひろ意味分かってないだろ。
いや、分かってるのか?
だとしたら・・・いや、変な妄想は止めよう。
そんなこんなで仕事を終わらせ帰ろうと思った所、課長に呼び止められた。
課長の奴、ちひろと緑子がいない所を見計らって来たな。
俺はLINEでちひろに連絡を入れた。
ちひろに連絡を済ませ仕事に戻った。
今更なんだか月曜日分て、何処までだ?
そもそも日当たりの仕事量は決まってない。
見事に課長にはめられた。
その課長は家庭がどうとかで帰りやがった。
まぁ、適当にキリが着いたら帰るか。
~数分後~
仕事にキリをつけ立ち上がろうとするとデスクの下に光る物があった。
よく見るとピアスだった。
そう言えば緑子、ピアス落としたとか言ってたな。
このピアス婚約者のプレゼントとか言ってたしな、無いと困るかな?
アパート近いし届けるか。
外に出ると土砂降りだった。
俺は自転車に跨り漕ぎ出した。
アパートが視界に入る。
よく見ると男女がアパートの前で何か話している。
俺は引き返そうと自転車の向きを変えようとした瞬間。
緑子は剛とか言う奴に突き飛ばされて倒れた。
何が起きたか分からなかったけど、怒りが込み上げてきた。
俺は自転車を立ち漕ぎをして緑子の元に大急ぎで向かう。
が・・・。
雨でペダルが滑り。
股間を強打。
そして、バランスを崩しハンドルを取られ。
緑子の前を通り過ぎ。
そして、ゴミステーションに突っ込んだ。
なんとも情けない。
立ち上がろうとすると足に激痛が走る。
どうやら足を捻ったらしい。
自転車は前輪がひん曲がっている。
再び乗るのは無理だ。
取り敢えず緑子の部屋に上がる事となった。
久しぶりに見る緑子の部屋。
何だか懐かし。
緑子はバスタオルを手渡しながら言った。
そう言うと救急箱からシップと包帯を取り出し、痛かった右足首に巻き付けた。
全然痛くない?!
緑子はタンスの中を探すと俺の服を取り出し手渡された。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。