昼休みに入り俺と緑子はあの場所に向かう。
あの場所と言うのは役場の二階にある資料室だ。
ここはまず人が寄り付かない場所で2人でゆっくり話す時はここを利用している。
2人で資料室に入ると扉を閉めた。
まず口を開いたのは緑子だった。
俺は怒鳴りつけた。
緑子は至って冷静で話しかけて来る。
なんかこう言う場は慣れている感じだ。
さっきから、のらりくらりと話が逸れてく。
俺が話したいのはこれからの2人の事なのに。
何でちひろの名前が出てくるんだよ。
段々とイライラが募ってくる。
緑子は一気にまくし立てると部屋から出ていった。
俺は突然と言うか、ショックで呆然と立ち尽くしていた。
心が痛い、張り裂けそうだ。
俺は叫んで泣いた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!