無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第30話

昼休みにて
俺達は昼休みになると中庭にあるベンチに座りちひろの手作り弁当を食べるのが日課になっていた。

中庭と言ってもただ芝生が植えてあるだけの殺風景なところだ。
ちひろ
ちひろ
恭平はい、お弁当。
恭平
恭平
おう、何時もありがとな。
俺達はベンチに座り膝の上に弁当を乗せた。

可愛らしいスティッチのキャラクターが印刷されたハンカチをほどくとスティッチの顔が印刷された弁当箱が現れた。

スティッチが好きだと聞いていたが本当に好きなんだなと微笑む。

弁当箱の蓋を開けるとご飯の上にハート形に切った海苔が乗っていて唐揚げ、だし巻き玉子、不揃いなタコウインナーに漬物が入っていた。
うん、少しづつ料理の腕前が上がってる。
初めの頃は真っ暗な焼き鮭やだし巻き玉子だったけど、本当に努力してるんだな。

俺は料理をしているちひろを想像した。

エプロンを身に付け長い髪を結い、トントントンと、生板の上で食材を切る音を響かせる、隣ではグツグツと煮物の甘い香りが漂う。

俺が甘い香り誘われ起床するとちひろに抱きつき、ちひろは、もう料理出来ないよと、唇を尖らせる。
そして、おはようのキスをする。

そんなちひろとの生活を想い描いていた。

もう、30だもんな結婚しても良いんだよな。
ちひろは俺の事どう思ってるのかな?

間違いなく俺の事、好きだという事は分かるけど結婚とか考えてたりするのかな?

隣で自分の弁当を美味しそうに食べているちひろの横顔を見ながら物思いに耽っているとちひろと目があった。

するとちひろは眉をひそめた。
ちひろ
ちひろ
ねぇ、食べないの?

食べないんだったら明日から作って来ないけど。
と、頬を膨らませて不機嫌になる。
恭平
恭平
はいはい、食べますよ勿論。

うめぇ〜、ちひろ腕上げたな。
そう言うとちひろはニッコリ微笑んだ。
ちひろ
ちひろ
ねぇ、恭平?

大事な話って何?
先程まで結婚の事を想像してた俺は思わず。
恭平
恭平
結婚?
ちひろ
ちひろ
へ?

け、けけけけ、結婚〜?
え、え、うそ、え?

プ、プロポーズ?
えっと、えっと。

ちひろは慌てふためき手を胸に当てて落ち着こうとしている。
ちひろ
ちひろ
は、はい。

こんなわたしで良ければ。
ちひろは照れているのか?
顔を真っ赤にして少しうつむき加減でそう応えた。
恭平
恭平
・・・
ちひろ
ちひろ
・・・
ちひろ
ちひろ
え?

コレで終わり?
眉をひそめて言った。
恭平
恭平
ん?

結婚て、誰が?
鳩が豆鉄砲を食らった様にポカーンとした表情からしかめっ面に変わった。
ちひろ
ちひろ
はぁ〜?

あんたが言ったんでしょ?
恭平
恭平
え?え?

俺?そんな事言った?
ちひろ
ちひろ
もう〜!!

朝、大事な話があるって言ってたじゃん!!

その話じゃないの?
ちひろは不機嫌になり怒鳴りつけた。
恭平
恭平
い、いや。

ごめん。

その話じゃないんだ。
ちひろが怒るのも無理ない、変な期待させてしまった。

本当にすまない。

でもこれって・・・

プロポーズ受けた事になるのか?

プロポーズじゃないけど・・・。
不本意ではあったが俺はちひろの本心が聞けて嬉しかった。
ちひろ
ちひろ
じゃ何の話しよ。
恭平
恭平
実は、来月の日曜日に泊まりで温泉に行こうと思うんだ。

ちひろ良いよな。
不機嫌だったちひろの表情は明るくなり嬉しさそうに答えた。
ちひろ
ちひろ
やった〜。

温泉旅行だぁ〜。

恭平ありがとう。

機嫌が直って良かった。

ちひろの気持ちを知った俺は自分を抑えきれずに更に話した。
恭平
恭平
俺、ちひろこと本気で好きだから。

このままダラダラ交際する気は無いんだ。
そこまで言うとちひろは察したのか此方を向き改まった。
恭平
恭平
だから、結婚を前提に御付き合いして下さい。
俺はちひろに頭を下げて言った。
ちひろ
ちひろ
う〜ん。

さっきの結婚話からするとインパクト薄いな〜。

どうしよっかな〜?
恭平
恭平
頼む。
ちひろ
ちひろ
聞かなくても分かるでしょ。

こちらこそ、ふつつか者ですが宜しくお願いします。
俺は嬉しかった、俺の人生で1番嬉しかった。

ハニカミながら微笑むちひろが愛おしかった。

俺は一生この笑顔を忘れる事は無いだろう。

でも・・・。

この約束は守る事が出来なかったんだ。