俺はちひろのスマホに電話したがやはり出ない。
取り敢えず折り返し連絡する様にメッセージを残した。
俺は何時もの待ち合わせ場所の駅に車を走らせた。
駅の駐車場に車を停め、ホームへと走る。
しかし、そこにはちひろの姿は無かった。
一旦、役場に戻る事にした。
もしかしたら役場に持っているかもしれない。
そう思い、役場へと向かった。
役場に着くとそこには誰もいなかった。
丁度そこに緑子が戻って来た。
緑子はその場で泣き崩れてしまった。
俺はスマホの写真を見せると2人は顔を見合わせて驚いている。
俺は再び車に乗り駅へ向かった。
今日は夏祭りの為かチラホラと人が増えて来た。
駅に着くと丁度電車がホームで止まっていて沢山の人が降りできた。
くそ、なんでこんな時にこれじゃちひろを見つけられない。
俺は大声で叫んだ、しかし、返事は帰って来ない。
俺は人混みを掻き分けてホームを探す。
やっぱり居ない。
俺はちひろの家へと向かった。
家に着くとおばさんが顔を出した。
おばさんに別れを告げると再び車を走らせた。
ちひろと良く行く喫茶店、ラーメン屋、居酒屋を巡るも見当たらない。
再び駅のホームを探すがやはり居ない。
半分、諦めかけた時、俺はKamikamiさんとの会話を思い出した。
俺は花火が一望出来る高台へと向かった。
日は既に傾き始め夕日が山間に落ちて行く。
もう直ぐ花火大会が始まる。
高台に着くと車を降り辺りを探す。
暗がりに1人の人影が見えた。
俺は高鳴る鼓動を抑え人影に近づく。
浴衣姿から女性だと分かった。
俺は思い切って声を掛けた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。