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第42話

さよなら
ちひろ
ちひろ
恭平?

恭平だ。
やっぱり来た。

恭平なら来ると思ってた。
何時もと違う場所だから少し不安だったけど恭平なら来ると思ってた。

やっぱり私達は離れていてもお互いに分かり合えるよね。
ちひろは微笑むと俺に抱きついできた。
何時もと変わらない笑顔。

俺は少し安心した。
緑子から電話がかかってきた時は何事かと思ったけど、この分なら大丈夫そうだ。
恭平
恭平
何だ、元気そうだな。
緑子から連絡があった時は心配したんだぞ。

あ、緑子に連絡しなきゃ。
ちひろは俺の胸を両手で推し俺から離れた。
ちひろ
ちひろ
なんでよ。
恭平
恭平
え?

ちひろどうしたんだよ。
ちひろ
ちひろ
なんであの女の名前が出るのよ!!
恭平
恭平
あの女って緑子のことか?

どうしたんだよ、今日喧嘩したって聞いたけど。

何があったんだよ?
ちひろ
ちひろ
あの女酷いの。

私に居なくなれって言ったの、帰って来なければ良かったのに、て言ったの。

酷いよね、ずっと親友だと思ってたのに。
恭平
恭平
緑子がそんな事を?

でも、緑子は悪気はなかったと思うんだ。
緑子も気に病んでたし、ちひろも機嫌治そ、な。
俺はそっと手を伸ばしちひろの肩に触れようとしたが、ちひろは俺の手を払った。
恭平
恭平
ちひろ?
ちひろ
ちひろ
なんでよ、なんであの女を庇うのよ!!

私は恭平の彼女でしょ?
私の事はどうでもいいの?

ちゃんと私を見てよ、ちゃんと私を好きでいてよ。

もっと私を大切にしてよ。

私、恭平の何なの?
恭平は私の事好きなの?
ちひろは泣きながら声を張り上げて言った。
こんなに感情をぶつけてくるのは初めてだ。
恭平
恭平
勿論、好きに決まってるだろ。
ちひろ
ちひろ
嘘。
消えそうな声で呟くと、ちひろはイヤリングとブレスレットを外し地面に投げつけた。

このイヤリングとブレスレットは俺がプレゼントしたものだ。
恭平
恭平
おい、何すんだよ!!
ちひろ
ちひろ
恭平、気付かないの?

このイヤリングとブレスレット、緑子さんと同じデザインなの。

緑子さんにプレゼントしたのと同じ物を私にプレゼントしたでしょ?

私の事ちゃんと考えてプレゼントしてる?
物を与えとけば、それで良いとか思ってない?
恭平
恭平
え?

お、俺は・・・。
言葉が出ない。
正直なんでイヤリングとブレスレットをプレゼントしたのか覚えていない。

ちひろとの関係がギクシャクしてて少しでもちひろが喜んでくれればと。

いや、違うちひろの機嫌が良くなればと。
いや、それも違う。

俺は、俺は。
ちひろ
ちひろ
分からない!!

恭平は自分の為に私にプレゼントしたんだよ。

私に嫌われたくないからプレゼントした。
私と別れたくないからデートに誘った。

そうでしょ?全部自分の為。

自分が傷つきたくないから。
恭平
恭平
!!
ちひろ
ちひろ
もう一度言うね。

恭平は誰が好きなの?
ちひろの言う通りだ。
俺はあの日以来、ちひろと上手く行かなくて。

ちひろと別れたくなくて、ちひろに嫌われたくなくて意味の無いプレゼントやデートばかりしていた。

今思えばちひろのこと何ひとつ考えてなかった。
自分の事のばかり考えていた。

俺は彼氏失格だよな。
ちひろ
ちひろ
なんで黙るのよ!!

私を好きって言ってよ!!

恭平のバカ!!

恭平なんか大っ嫌い!!
ちひろは俺に背を向け走り出した。
恭平
恭平
ちひろ、待って。
俺の声はちひろには届かなかった。
打ち上げ花火の音にかき消されたのだ。

打ち上げ花火の色鮮やかな光が闇夜に消えていくちひろの後ろ姿を映し出した。
俺はそれを黙って見送る事しか出来なかった。

後を追うことが出来なかった。
俺はその場で力無く泣き崩れた。

ちひろは俺に沢山の物をくれた。
俺を好きでいてくれた。

なのに俺はちひろに何を残せたんだろう?
辛い想いばかりさせてしまって、悲しい想いばかりさせてしまって、今でも泣いているのに俺は、俺はいったい何を今までしていたんだ。

ちひろごめんな。
こんな不甲斐ない彼氏で・・・。



こうして俺達の夏が終わりを迎えようとしていた。