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第12話

父と母
私が玄関を開けると部屋の奥から母が飛び出してきた。
母
ちひろ?

ちひろお帰り。

連絡くれたら迎えに行ったのに。
母
お父さん。

ちひろが、ちひろが帰ってきたわよ。
久しぶりに会った母は白髪が増え少しやつれていた。
私の事で気苦労が絶えないのだろう。
ちひろ
ちひろ
ただいま。

お母さん。

駅でね恭平に会って送って貰ったの。
母
恭平くんに会ったのね。

良かったわね。

うん、本当に良かった。
そう言うとお母さんは私に抱きついてきた。
ちひろ
ちひろ
え?!

あ、ちょっと、お母さん?!

どうしたの?
母
元気になって良かったわ。

本当に心配したんだから。
ちひろ
ちひろ
うん、心配かけてごめんね。

でも、もう大丈夫だから。
母はそっと私の手を取り手首を擦り出した。
母
こんなことして。

本当に大丈夫なの?
そこには、自分で手首を切った跡がある。

母はポロポロと涙を流した。
ちひろ
ちひろ
お母さん?!、本当にもう大丈夫だから、ね。

だから泣かないで。
私は精一杯の笑顔で応えそっと母の手に手を添えた。
父
ちひろ、お帰り。

疲れただろう。

さぁ、上がっておいで。
松葉杖をつきながら父が顔を出した。
ちひろ
ちひろ
ただいま。

お父さん。
ちひろ
ちひろ
あのね、お父さん。

あの、心配かけてごめんなさい。
私は深深と父に頭を下げた。
父
頭を上げなさい、ちひろ。

お前は何も悪くない。

もう、自分を責めるのは辞めなさい。
ちひろ
ちひろ
お父さん?
父
彼が、優也くんが亡くなったのはちひろの所為じゃない。

運が悪かったんだ。

だからもう自分を許してあげなさい。
父はそう言うと松葉杖をつきながら部屋へと向かって歩き出した。

ちひろ
ちひろ
お、お父さん

ありがとう。
私は静かに泣いた。

私は心の何処かで優也が亡くなったのは私の所為だと思う事があった。

私と出会わなければ、私と付き合わなければと。

入院中に1度も顔を見せなかった父からこの様な言葉が出るとは思わなかった。

父は離れていてもちゃんと私の事を考えていたんだね。
久しぶりに一家団欒で夕食を採り楽しい時間を過ごした。