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第20話

別れ#2
俺が呆然と立ち尽くしていると剛と言わていた男性が話しかけて来た。
えっと、君は?

そうそう、弟の恭平君ですね。
話は聞いてます。

あ、私、緑子さんと結婚を前提にお付き合いしている。

田中剛と言う者です。
これから宜しくね恭平君。
弟?誰が?俺が?誰の?ああ、こいつが緑子の弟て、事かな?

でも、結婚前提て・・・
恭平
恭平
緑子。

これはいったい?
緑子
緑子
剛〜。

今日は来れないって言ってたじゃない。
俺が話しかけようとすると緑子は自分の話しを被せて聞こえないようにした。
急遽仕事がキャンセルになってね。

だから会いに来たんだ。
緑子
緑子
うれしい。

さぁ、部屋に入ろ。

今日は泊まってくんでしょ?
緑子は再びキスをし腕を組んで部屋へと向かって行く。
恭平
恭平
りょ、緑子。

これはどう言う事だよ。
緑子は俺の言葉を無視して1度も振り返ること無く部屋へと入っていった。
何で?

弟ってどう言う事だよ。

話したい事、聞きたい事が沢山あるのに。
頭が回らず上手く喋れない。
つい先程一緒に居ようね、て言ってたのに。

なのに何で?

どうして、どうしてこうなったんだよ。

暫く待っていたが緑子もあの男も出て来なかった。

俺は重い足取りで来た道を引き返した。

そして、桜まつりの桜並木の所まで戻って来た。
先程はあんなに賑やかだったのが嘘のように静まり返っていた。

桜並木が風でザワザワと揺れカサカサと葉が擦れる音がしてまるで別の世界に迷い込んだ様に感じた。


先程、緑子座り込んでいた桜の木の根元まで行くと俺は膝から崩れ落ち泣いた。
桜まつりで楽しそうに桜を見る緑子。


打ち上げで村人とお酒を飲みながら笑う緑子。


子供の様に甘える緑子。
そして、キスをした唇の柔らかさ。

抱きしめた時の温もり、香り、表情。

それ等が浮かんでは消えて行く。



恭平
恭平
なぁ、緑子。

俺達これで終わりなのかな?

そりゃさぁ、俺は頼りないかもだけどさ。

俺は俺なり頑張って支えて来たんだけどな。

まだ足りなかったのかな?
もし、あの男から緑子の腕を強引に引っ張っていたら。

もし、あの男に緑子は俺の女だと言っていたら。

何か変わっていたのかな?
いや、あの時はもう既に遅すぎたんだ。

きっと変わらなかったろう。

この頃の俺は何も分かっちゃいなかったんだ。

何も・・・。

背中で静かに泣いていた緑子の事も。

そして、ちひろの事も。


何も分かってなかったんだ。