第24話

短編集24 jk
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2020/02/08 09:41


朝いつもより早く学校に着いて
そこそこ仲良い男友達と雑談して笑ってたら

『朝からうるさい。』

隣の席のジョングクが言ってくる。

「あ、ごめん」

そんなにうるさかったかななんて
思いながら一応謝っておく。

それでもしばらく話を続けていたらまた、

『だからうるさい』

って言われた。

「ジョングクどうしたの?」

『…』

「え、無視?」

最近こんなやりとりばっかり。
なんでこんな機嫌悪いのか。
とりあえずもうすぐチャイムがなるから
自分の席へ戻っていく男友達。


『お前さ』

「なに?」

『…』

「え、なによ」

『…なに男に触れてんの?』

「‥は」


言ってる意味が分からない。
男に触られてんのって触られたっけ?
てか触られたとしてジョングクには関係ないよね。

『さっき、アイツに頭ぽんってされてただろ』

「え?」

記憶を手繰り寄せてみるけど全く記憶にない。

『は?されてただろ』

「え、まじで意識してなくて記憶ないわ
 でも別にジョングクには関係ないでしょ」

『…』

「あー、もしかして嫉妬してるの?」

『は、違えし』

即答かよ。

「いや、知ってるし。冗談だから」

『はあー』


って今度はため息ついてる。
なに、最近機嫌悪すぎじゃん。
まあいつも割と口は悪いけど。



次の日、朝寝坊してバタバタ準備。
駅から学校までダッシュで向かう。
もうすぐ下駄箱ってところで、
何故か服に水が飛んできて。
どうやら水やりしてたホースが暴れたらしい
用務員のおじさんが慌ててる。

でももうすぐチャイムなるから
大丈夫〜って言ってそのまま教室へ。


入ってすぐのわたしの席に
カバンを置いた瞬間チャイムがなった。
肩で息をしながら席に座ろうとすると。


『は、お前ばかなの』

「は?」

いや頭はそんなに良くはないけど
そんな学校に着いただけでばかなのって
言われるほどばかじゃないし
なんなら間に合ったことを褒めてほしいくらい


『これ着とけ』

って体操服のパーカー渡してくる。

「え、あーそうだった水浴びたんだった
 でもそんな寒くないし
 すぐ乾くでしょ、天気良いし」

『は、お前まじばかなの?』

「さっきからばかばかうるさいなあ」

『…透けてる』


透けてる?スケテル?
濡れた部分を見る。

「っ!」

『だから着とけ』

「ありがとう」


素直に受け取りすぐに着た。



「ねえ、見たでしょ」

『…』

「あー、ジョングクえっちだあ」

って照れ隠しで冗談混じりに言うと
ジョングクがわたしの顔を凝視してくる。

「え、見過ぎなんだけど」

『その格好のまま教室まできたの』

「え、うん。時間なかったし
 でもダッシュだし誰にも会ってないし
 見られてないよねきっと。うん。」

『そうゆう問題じゃないから』

「ねえ、口悪いのはいつものこととして
 なんで最近そんな機嫌悪いの?」

『…俺独占欲強いんだけど』

「は?どうゆう意味?」

『…だから、お前が他の男と話してるのも
 触られてるのもそんな無防備なのも
 我慢できないんだけど』

「…は?なにそれ。
 なんかそれジョングクがわたしのこと
 すきみたいなんだけど」

『…みたいじゃない』

「え」

『…すき、お前のこと』

「…まじか」

『まじ。お前が俺のことすきになるまで
 言うつもりなかったけど
 我慢できなかった。』


真っ直ぐわたしの目をみて言うもんだから
なんか心臓うるさいし、どうやら本気みたい。


「…てかわたしがジョングクのこと
 すきになるの前提なんだ」

『は、当たり前だろ』

どんだけ自分に自信あるんだよって
可笑しくなって笑ってしまう。


『あなた』

「ん?」

『これから覚悟しとけよ』


って不敵に笑うジョングクに
「ウッ」って心臓射抜かれた気がしたけど
今はまだ気づかないフリをして


「のぞむところです。」


もう少し今のジョングクを楽しむことにしよう。



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