あなたside
飛貴「俺が今何を考えてるのか、何を望んでるのか···」
飛貴「あなたに教える。」
『ちょ、ちょっと待って飛貴!どういうこと?』
飛貴「そのままの意味だよ。」
『そこまでは分かるんだけど···』
飛貴「じゃあ、よく聞いてて。」
『···?···うん』
飛貴「あなたが好きだ。」
『え···?』
飛貴「あなたが転入した頃は興味があって話しかけただけだった。でも毎日会ううちに、楽しくなった。好きだ、って気付いたのは、あなたが笑った時。考えられないくらい嬉しかった。認めてもらえた気がして。」
『飛貴···』
飛貴「俺は、あなたがもう治らないと知ったところで嫌いになんかならない。逆にもっと一緒にいたいから。だから、俺と付き合ってくれないかな、、」
『飛貴···( •́ㅿ•̀。 )』
『私も好きだよ、飛貴のこと。』
飛貴「···!じゃあ···」
『でも付き合うことは出来ない。』
飛貴「死ぬから···?」
『うん。忘れて欲しいから。』
飛貴「出来ないよ、忘れるなんて」
『どうして···?』
飛貴「だって好きだから。あなたがここで俺を振ったとしても、ずっと覚えてるよ。」
『そんなことない、すぐ忘れるよ···』
飛貴「本当にすぐ忘れるの?あなたは親友が死んだ時のことをまだ覚えてるのに?」
『······!』
飛貴「じゃあ、卒業するまで。卒業するまで俺の彼女でいて。」
『······分かった。』
飛貴「ありがとう、彼女さん。」
『···っっ////照れるからやめて//』
飛貴「えー?照れるの?じゃあやめない♪」
『···いじわる。』
飛貴「可愛いw」
『可愛くないー』
飛貴「はいはいw」
それから夢のような日々を過ごせた。
―――――――――キリトリ線―――――――――
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。