第35話

君を探して side隼翔
1,198
2018/08/17 12:03
天才ゲームが終わりスグのこと。
俺は軽音部のメンバーに話して本格的にプロ
デビューをした。若くして波に乗れた俺達。
スグに全国に名前が広まるようになった。
香織とは何回か会った。今は看護師をして、
休みには千葉へ琉依を探してくれている。
テレビで俺は建築家夫婦殺害事件のことを
話し、行方不明の少女を探していると話す。
暫く経って、俺達のバンドは10年目を迎えた
今日はお祭り会場近くで特別ライブをする
ことになっている。
メンバー
隼翔!10周年記念の今日はあの
曲を発表するんだろ?
百原隼翔
ああ…これで見つかればな…
メンバーの言う”あの曲”とはライとレミだけ
が知る歌姫が作った曲。歌詞はまだメンバー
に教えていない。
メンバー
あの行方不明の子、見つかると
いいな。
百原隼翔
例え来世でも見つけるさ…あ、
これその曲の歌詞。本番までは
絶対に漏らすなよ?
メンバー
当たり前だ!
メンバー
それじゃ!10周年記念ライブ
も頑張っていこうぜ!!
円陣を組み、声を出すとライブは開始。
俺も休みさえ出来たら千葉へと出向いていた
このライブが終われば明日は休みだから、
勿論千葉へ行く予定
歌姫の曲は打上花火があがる前に発表する。
夕方から歌い続け、2時間。
歌姫の曲の発表の時がやってきた。
俺にはあの高い音が出せない、少しキーを
下げて歌っていた。凄い明るい系ではない
この曲はみんなが静かに聴いている。
すると…
…原曲の高い音で歌う声が何処からした。
え…この曲は多分、俺と琉依しか……
…いや、香織が知っている?琉依から聞いた
可能性だってあるし…
歌いながら様々な考えが頭を巡る。
それに琉依はもう……
最後まで歌い終わり、花火のカウントダウン
が始まった。
メンバー
悪ぃ、ちょっと用事!!
百原隼翔
え…
メンバー
ちょっ、いきなり!?
メンバー
スグに戻ってくる!!
そう言って、メンバーの1人がステージから
いなくなった。観客も騒然とする中、仕方
なくカウントダウンが始まる。
メンバー
さん!!
メンバー
にー!
百原隼翔
いちっ!!
メンバー
はっやと〜!!
百原隼翔
え?
その瞬間、誰かが俺にぶつかった。
百原隼翔
うわっ!
夏なのに全身黒いマント着て、フードを被る
不思議な人。ジャラジャラと何かが擦り合う
音が鳴っている。
メンバー
俺達からのサプライズだ!!
百原隼翔
えっと…?
すると、舞台袖から…
伊藤香織
隼翔!!
香織が泣き、笑いながら俺に手を振る。
まさか…
俺は慌ててしゃがみ顔を見る。
三鷹琉依
ひ、久しぶり…
百原隼翔
琉依…っ…!

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