そう言って、一歩前に出た。
みんなの視線が私に集まる。
一斉に驚いた顔になる。
人と話す時点でかなり頑張っている方だ。
それにいつ長袖のことを聞かれるかと考える
とリーダーなんてやってられない。
スグに分かち合えたのか敬語は無くなった…
だけど……
…敬語をやめられない自分がいた。
やがて、10分が経つ。
莉世ちゃんの言葉にみんなが頷く。
そう言い残すとコウは消えた。
みんなで「朝顔の部屋」を探し、控え室へ。
控え室は普通の教室で、黒板に注意書きが
書かれている。
《注意事項》
・テストは1回30分。
・終わったら提出し、時間まで席で待機。
・カンニング行為は失格となり、死。
それを読み終えると、唯斗君と陸君が立ち、
控え室を出て行った。
控え室にいる人達は、失格したら死ぬということをみんなは冗談だと思っているみたいで
互いを知るために、雑談をしている。
私はただただ時間が過ぎるのを待った。
すると…
突然、莉世ちゃんが私の腕を引っ張り、
メンバーの円に入ったと思うと、腕を肩に
回してきて耳元で…
私のことを「琉依」と呼ぶ人は全くいない
から呼ばれると少し私は戸惑ってしまった。
開始から30分後、2人が戻ってくる。
2人が出て行き、男子全員と絢美ちゃんが残る
私はただ話しかけられないのを願い続けた…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。