第23話

心の声
1,257
2018/08/06 03:55
ジン
琉依様、おはようございます。
三鷹琉依
おはよう…
ジンが昨日と同じケーキとコーヒーを用意
してくれる。
三鷹琉依
あと何日で終わる?
ジン
そうですね…残っているのは15
チームで2人しかいないところ
もありますので、チーム調整を
すると6人が12チーム。クレア
様はおそらく、本日限り対決を
3チームずつにすると思うので
今日で4チームになり、明日は
2チーム。明後日に終わること
だと思います。
三鷹琉依
明後日か、ありがとう。
ジン
いえ、本日も頑張ってくださいませ。
三鷹琉依
うん。
そうして、私はホールへ。
ホールに着くと、香織がいた。
伊藤香織
あ、琉依、おはよ!!
その時、話すのとは違う声が聞こえた。
"琉依だ!昨日のお茶会は楽しかったなぁ。"
三鷹琉依
おはよ。
そういうことね…
私は夢でレミが話していたことは本当なんだ
と実感した。
三鷹琉依
そう言えば、昨日のお茶会凄い
楽しかったね!
伊藤香織
お!私も今思ってた!
三鷹琉依
同じ同じ!
私は話しながら、能力への驚きから心を
落ち着かせる。
"そうそう!琉依ちゃん出来てるよ!"
聞こえたのはレミの声。
良かったぁ…
クレア
さて、チームが2人しかいない
ところもあるから1チーム6人の
計12チームになってもらう。
係員が出て来て、他のチームの人を分けて
いく。私達のチームはそのままだ。
クレア
今日限りは、3チームで対決を
してもらう。3チームの中で1番
合計点数が高かったチームだけ
が生き残れる。
四宮陸
ここまで来たら、最後まで生き
残ろう。
和田哲也
おう!
クレア
では、リーダーのヘルパーは
案内を。
クレアが言い、陸のヘルパー、コウが説明を
している。
コウ
本日の教科は数学です。1回目
に陸様と隼翔様、2回目に莉世
様と哲也様、3回目に琉依様と
香織様がよろしいと思います。
部屋は…紫陽花の部屋です。
三鷹琉依
……。
私はコウの説明を聞きながらあることを考えていた。
クレアの声…聞いたことがあるような……
伊藤香織
…いっ、琉依!!
三鷹琉依
え、あ、はい!
"大丈夫かな?ぼっとしてるけど…"
伊藤香織
紫陽花の部屋に行こ!
三鷹琉依
そ、そうだね。
少しでも心が揺れると能力が発動しちゃう…
四宮陸
最初は俺と隼翔だな。
百原隼翔
んじゃ、行ってくる。
何となく隼翔を見ていたら目が合ってしまい
急いで逸らす。
2人が出て行き、残った4人で雑談をして、
時間が過ぎるのを待った。
2人が戻って来て、今度は莉世と哲也がテスト
を受けに行く。
三鷹琉依
……。
莉世達がテストを受けている時間、私はレミ
の記憶を辿っていた。
聞いた話通りの記憶。汚い路地裏で歌い歩く
レミの姿。その姿には誰もが振り返る。
そんなある日、聞こえた心の声。呟き気持ち
悪がれ、軍人に捕まるレミ。牢屋に連れて
行かれて枷をつけられている。男達の暴力、
言葉にせず心で思う悪口。全てがレミの記憶
に刻まれている。
そして、少年が牢屋前にいる。少年は最初は
驚いた顔をしていたが、やがて優しく笑い、
楽しそうに外の世界のことを話している。
レミは…いい人に出会えたんだね…
けど、私にだって…
伊藤香織
琉依!テスト受けに行こ!
三鷹琉依
うん!
いい友達が出来たよ…
私はそして、席から立った。

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