第26話

プレゼント
1,223
2018/08/09 14:31
…隼翔に早く会いたいなぁ。
私はそんなことを考えていた。
命懸けだと知ると、もしいなくなったらと
考えてしまい少しでも長く一緒にいたいと
思ってしまう。
もっと一緒にいることが出来たらいいのに…
好きという感情は難しい。
何かモヤモヤするっていうかなんていうか…
伊藤香織
琉ー依っ!
三鷹琉依
ん?
伊藤香織
何考えているの?
三鷹琉依
う〜ん…元の生活に戻ったと
してどうしようかなぁ。って。
伊藤香織
大変そうだもんね…
三鷹琉依
うん…
伊藤香織
あ!いっそ、脱走しちゃえば?
三鷹琉依
だ、脱走って…
伊藤香織
そうしたら、自由!
三鷹琉依
まぁ、そうだけど…
伊藤香織
大丈夫!私が探し出してあげる
からさ!
三鷹琉依
ありがと…
香織の良心が痛い。
明日、私は死にます。なんて言えないよ…
四宮陸
これが勝つとは限らないんだし
次のテストに向けて、心を落ち着かせたら?
三鷹琉依
だね…
やがて、2人が戻ってきて私はテストへ。
今回は漢字と古文。
あれ…ここ何だっけ…?
今までのテストで初めて引っかかった。
そのことに少し焦りながらも解いていく。
提出が終わり、結果が発表される。
合計点数は勝ってはいたが…
三鷹琉依
えっ…一問、間違えた…
私は98点で一問間違えてしまった。
三鷹琉依
もっと、勉強をしないと…
四宮陸
勝ったし大丈夫だろ。
三鷹琉依
う〜ん……
2チームの人の首が無くなり、「では、また
明日。」といつも通りのことをクレアが言い
みんなが各自、部屋に戻る。
三鷹琉依
……。
私はホールにまだ残っていた。
百原隼翔
あれ、琉依帰らないのか?
出る直前に気付いた隼翔が私の元へ。
三鷹琉依
あ、うん…
百原隼翔
何かあった?
三鷹琉依
何も…
少し視線を逸らした時、隼翔がいつも着けて
いるネックレスが見えた。
三鷹琉依
それ、いつも着けてるね。
百原隼翔
これ?まぁな。良かったら…
隼翔がネックレスを外すと、私の後ろに周り
つけてくれた。
百原隼翔
あげる。
三鷹琉依
いいの?
百原隼翔
おう!
そう言って、笑ってくれた。
三鷹琉依
ありがと。
私も笑い返す。
そして、私は部屋に戻った。
三鷹琉依
レミ…
"ん?"
明日、私は死ぬけどいいかな…
"うん!私のしたいことは叶った!"
三鷹琉依
したいこと?
"詳しくは秘密だけどね♪"
そっか…
"これは琉依ちゃんの人生だもん。好きな
ようにするのがいいと思う!"
後悔はないの?
"無い無い!"
分かった…それじゃあ、明日までよろしく…
"勿論!"
私は首にかかっているネックレスを触る。
三鷹琉依
明日、せめて死ぬ前に…
…隼翔に「好き」って言わないと。

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