昨日は仕事をしながら寝てしまっていて、服も其の儘になっていた。
ゆっくり立ち上がって、ドアノブに手をかける。
取り敢えず顔を洗って、拭いて鏡を見てみる。
でも何やら、水道が止まってるらしい。
最悪…社長何してんのほんと。水道代ちゃんと払ってくれ…
…何て、悠長な事は言ってらんないみたい。
二人…いや、
五人か…?
…直ぐに片付けて、服でも買いに行こ。
私は路地裏に入って、尾けてくる奴らを呼び出す。
…遠かったからか…気付かなかった。迂闊だったな。
私の首には、ナイフと芥川君の羅生門が突き付けられている。
…もう ちょっとだけ切れてんじゃん、痛い。
降ろしてくれた、か。さて…どうしたもんかね、
ポートマフィア全武闘派引き連れてるってのは想定外。
異能も…掌の近くに羅生門が有るから発動出来ない。
一度手を握らないといけないからな…
なら此処は普通に人体で乗り切るべきか。
ビルも周りにあるし…
飛び越えて上行ったら行ける…けど、芥川君が追い掛けてくる。
糞、流石森さん…私の弱点全て把握してる。
最悪…これ無傷で帰れないじゃん、気色悪…
…何、この音。
何かが土の中を這ってる様な…
…まさか、
予想通り…羅生門だ。
…待てよ、
芥川君は一般人等には興味が無い…なら、今私が逃げたら一般人に危害が及ぶ。
…賭け、嫌いなんだけど。
[続]
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。