???「《ドン‼︎》いっ…」
あなた「…あぁ、すまない(目を合わせず謝り、歩く)」
???「…なんなんだよ…あいつ」
???「お〜⁇あれはこの前学校長に教えてもらった子じゃないか?」
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早歩きで歩いていたため、曲がり角で誰かとぶつかった。
顔は見なかったが、きっと生徒の1人だろう…
教室に着き、席に座り、手に持っていた大量の資料を机に置いた。
周りの生徒は、机に置かれた資料の量と無くなったバッジに驚いているのが分かる。
私は深いため息をつき、1枚目の資料を見た。
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あなた「山田…りょ…う…すけ?」
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一枚に書かれていたのは
山田家の息子、山田涼介という男だった。
見た目はまるでおとぎ話の王子様。
…まぁSSSなだけあると思う。
その他の八枚にも、目を通した。
やはり全体的に容姿、運動神経、学力は高い。
そして、次の一枚の資料をめくった。
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あなた「…⁈シェアハウス⁈‼︎(大声)」
生徒「ん…?」
生徒「どうしたんだ…(小声)」
生徒「シェアハウスって」
あなた「…!(周りからの視線に気づき、目をそらす)」
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しまった。つい大声を出してしまった…
私がめくった資料に書かれていた事、それは、声に出してしまったように『結婚相手を今から選ぶためには、高校生活だけでは足りないため、シェアハウスを実施してもらう』という内容だった。
理解出来ない… いくら理解しようとしても学力が高くても不可能。
しかも、そのお願いが書かれていた下には『もちろん、格差は 高校生活でも、シェアハウスでも男の方が上』と。
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あなた「…はぁ…?訳がわからない。」
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私の格差が1日で9人の男の下になり、
高校生活とシェアハウスをそのまま過ごすなど、精神的に不可。
どうにかして無くしたい出来事だが、
従うしかない。
今までで1番大きく深いため息をついたその時だった。
《ガラガラッッ‼︎‼︎》
勢いよくドアが開いた。
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???「…神崎あなたのいるクラスはここか?」
あなた「⁈あ、あなた達は…っ」
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開いたドアの奥に立っていたのは、ついさっき資料で確認した9人の男だった。
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???「…っいた。(あなたの元へズカズカと近寄る)」
あなた「っ…⁈」
???「お前だよな。神崎あなた」
あなた「ええ、まあ…」
???「俺たちの事、紹介してもらったかな?」
あなた「山田…涼介……」
涼介「ああ」
あなた「知念…侑李と、中島裕…翔…」
侑李「そうそう‼︎」
裕翔「あったり〜」
あなた「薮宏太、八乙女光…髙木…雄也…」
雄也「正解。」
光「ど〜も、」
宏太「よろしくね?」
あなた「あとは、岡本…圭…人…、有岡大貴、伊…野尾慧…」
圭人「YES」
大貴「こんにちわ‼︎」
慧「ほ〜い…」
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私が9人の名前を言い終わったその時だった。
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涼介「…あのさ…?」
あなた「…はい⁇」
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山田涼介が怒った口調で喋り出したのだ。
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涼介「俺達の方が格差……っての、上なの、分かるよね?」
あなた「っ…‼︎」
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私が今、1番聞きたくない言葉を発された。
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涼介「だからさ〜…呼び捨ては無いと思うんだよな?」
慧「ああ、それね」
裕翔「まぁこれは国の決まりだしね…」
あなた「…すみません…」
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今まで、同学年の人に敬語なんて使ったことはない。何回も言うが、私がTOPとして生きてきたからだ。
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雄也「あ、後…さっきぶつかったよね?俺に」
あなた「ぶつかった……⁇」
光「あ笑 さっき目、合わせてなかったもんね笑笑」
圭人「気づいてなかったんじゃない?(光に問う)」
侑李「ねえねぇ、気づいてた⁇(あなたに)」
あなた「いや……」
大貴「やっぱり‼︎」
雄也「ふ〜ん…」
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もしかして、さっき早歩きをしてぶつかった人がこの髙木雄也…と言う男だったのだろうか。
本当に最悪だ…
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宏太「まぁ、あなたも聞いてるでしょ?」
慧「シェアハウスの事とか」
あなた「はいっ…」
大貴「本当だったら呼び捨てとか、ぶつかってもちゃんと謝らないとかはさ…」
侑李「ダメなんだけどね〜」
光「うんうん」
裕翔「どうするー?山ちゃん」
あなた「どうするって何を…⁈」
雄也「え?分かるでしょ、それくらい」
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確かに検討はついている。
それは罰だ。
私も、最低ランクの人が『クソ女!』と野次を飛ばしてきた時、国をあげて罰を受けさせたことがある。
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あなた「ば、罰だけは…!」
涼介「…分かってるよ、そんな来て1日目で、将来の結婚相手になるかもしれない奴に重い罰は受けさせないから」
圭人「…山ちゃん…笑」
宏太「まぁそうなるよね〜」
あなた「は、はぁ…」
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よ、よかった…
意外に話を理解してくれる人達なのかも知れない。
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涼介「っあ、でも、罰を与えないとは言ってないからね?」
あなた「はいっ⁈」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。