ただいま雄英高校の応接室
合宿の護衛の件で直談判に来ている
かといって心的外傷はすぐに治るものではない
あなたの発言に、相澤が目を瞬いた
彼らは実際に夜を駆け回るため公にされていない存在
必要最低限のメディア露出は準柱がこなす
余談だが、準柱は学生のみが任命される
親しみを出すためと
時間のコントロールがしやすいからだ
えげつない話をすると、
17歳未満の労働は午後10時まで
メディアではタレント扱いの準柱は
その法律が適用される
鬼殺隊活動も例外ではないので無視しているのだが
つまるところ、
夜間の鬼狩り時間を確保しやすくするためだ
なので、高等学校を卒業した準柱は引退
柱に空きがあればそのまま任命されると言う仕組みだ
ちなみに、空きがなければ一旦甲扱いとなる
空きが出たら即採用になる
ついでに、準柱もメディア露出中は面を外さない
理由は簡単、顔バレしたら働きづらくなるからである
それが何故かミステリアスだと
人気に拍車がかかっているのが現状である
相澤に鬼殺隊準柱の書類を渡しながら善逸が言う
その善逸の発言に相澤が一瞬動揺を見せる
それに畳み掛けるように善逸は続けた
教師陣が危惧すること
それすなわち、内通者だ
だが鬼殺隊は政府公認非公式組織
そこで信用に値するとのお墨付きならば
それ以上疑う余地はない
自信ありげな顔で微笑んだ善逸を一瞬見つめ、
相澤は告げた
善逸とあなたはお互いの顔を横目に見て、
机の下で拳を合わせた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。