彼の勧誘は、そんな言葉で始まった
普段なら咎める物言いだが、
今回ばかりはあなたも同意した
敵を睨み付けるが、効果はない
そもそも、拘束されている
この状況で何ができるでもない
つけっぱなしのテレビから、
ニュースが流れ込んできた
その言葉を皮切りに、映像が流れ始めた
内容は酷いものだった
先生たちは悪者扱い
結果が全て
そこに至るまでのものを見ようとしない
死柄木は両手を広げた
耳障りな言葉の羅列
何を知った気でいる
幾つも溢れ落ちた命を見送った
守りきれなかった人たちの暖かな笑顔
でもそれはきっと、先生たちもおんなじで
ヒーローは、ヒーローじゃなくていい場所が
必要なんだ
高校生か中学生くらいの少女に連れられ、
別室へと移動する
少女は、赤い液体を一口飲んだ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。