2日間なんて案外あっという間に過ぎるもので
今晩は肝試しらしい
補修組は、
肝を試させてくれと叫びながら引きずられていった
順々に送り出されて夜の森へ向かう
鬼殺隊の面々は、腰元に刀を引っ掻けていた
そう呟いてあなたが横を向くと、
炭治郎と善逸が顔をしかめていた
あなたが首をかしげたとき、炭治郎が大声を上げた
その言葉に、鬼殺隊員たちが駆け出す
獪岳が刀を構えたのを確認して、あなたも耳をすます
普段は封印している補聴器のフル稼働
耳に大きく負担がかかるため、禁じ手となされている
たくさんの音が溢れかえる
ヒーローのテレパスも、混ざって鈍く聞こえる
ピキッ
補聴器にヒビのはいった音が聞こえた
どこだ?
どこに……
『「かっちゃん」はなるべく先頭を避けて!』
思わず叫ぶ
誰が名前を呼んでいた?
どこかで聞いた
どこで
そうだ、緑谷が呼んでいた
あなたは踵を返す
爆豪のいる場所を聞きながら探る
轟も一緒だ
あなたは大きな氷山を目指して地面を強く蹴った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!