第72話

事実
1,273
2021/05/30 12:00
入浴中、何やら一騒動あったらしい
なんでも、峰田がまたやらかしたそうな
鬼殺隊員の面々は入浴時間をずらしていたので無事だ
もっとも、隊員のいる時間にそんなことをすれば
地獄がまっているのは火を見るより明らかだが
ちなみにその頃、あなたは館内を散策していた
我妻(なまえ)
我妻あなた
広い施設でもないし、
これなら守りきれるかなぁ……
目的は護衛の下見という、穏やかではない話だ
我妻(なまえ)
我妻あなた
ん……?
我妻(なまえ)
我妻あなた
(声……)
ヒーロー
2年前……敵から市民を守ってね
ヒーロー
ヒーローとしてはこれ以上ない程に
立派な最期だし
ヒーロー
名誉ある死だった
我妻(なまえ)
我妻あなた
……
中には少年が寝ている
恐らく、あの子の……両親の話
ヒーロー
でも物心着いたばかりの子供には
そんなこと分からない
ヒーロー
親が全ての世界だもんね
ヒーロー
「自分をおいていってしまった」のに
世間はそれを良い事·素晴らしい事と
ヒーロー
褒め称え続けたのさ……
我妻(なまえ)
我妻あなた
……
鬼殺隊でも、無いと言いきれない話
鬼殺隊は家族がいる人間の入隊を良しとしない
殉職となった場合を考えてだ
しかし、最終的に戦うのは隊士
そこに他の事実が混ざることはない
もちろん、隊もランクの低い仕事を当てるなど
対策をしている
それでも、防ぎきれない命はある
我妻(なまえ)
我妻あなた
……ッ
あなたは踵を返すと、部屋へと走った

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