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2021/11/09

第14話

14話
昭裕の任意同行から4日後。
小柴 まこと
小柴 まこと
ごめんなさい。学年を偽っていたのは本当。そのサイトに書いてあるほとんどのことが私に当てはまる。
僕、まことさん、昭裕。
事実確認も含め、昭裕の家に3人で集まっていた。
小柴 まこと
小柴 まこと
でも!詐欺なんかしてない!!
真板 昭裕
真板 昭裕
うん。それはもちろん信じてますよ。な?振一郎。
湯川 振一郎
湯川 振一郎
はい。ただ、なんで僕に違う学年を言ったんですか?
小柴 まこと
小柴 まこと
振一郎くんと仲良くなりたくて、つい。
湯川 振一郎
湯川 振一郎
そうですか。……わかりました。まことさん。僕、あなたのことだけは守りますから。
その言葉を聞いたまことさんが、僕の手を取る。
小柴 まこと
小柴 まこと
ありがとう。嬉しい。そう言ってくれて。
まことさんの不安そうな瞳と、小刻みに震える手を見て、僕の意志は、より固くなった。
夕方。
家に帰ると、アイは不安そうな顔をして僕を迎え入れた。
アイ/AI
アイ/AI
あの2人の所に行ってたの?
湯川 振一郎
湯川 振一郎
そうだけど。
アイ/AI
アイ/AI
なんで?もういいじゃん。あんな危ない2人なんかと関わんなくても。2人とも詐欺の疑いをかけられてるんだよ?
湯川 振一郎
湯川 振一郎
本当にしてるわけないだろ?昭裕のことを警察に言ったのも、掲示板にまことさんのことを書いたのも、多分同一人物だ。悪いのは全部そいつだよ!!
アイ/AI
アイ/AI
振一郎は騙されてるんだよ!私、あなたに後悔して欲しくないの!
湯川 振一郎
湯川 振一郎
やめてくれ!!
アイ/AI
アイ/AI
……。
湯川 振一郎
湯川 振一郎
もう君と喧嘩なんかしたくないんだよ。誰もいなくなって欲しくないんだ。
今まではずっと1人だった。
昭裕はいたけど、あいつがいなくなるなんて考えたことなかったし、大切な人が増えた今、みんながいなくなってしまうことが何よりも怖かった。
アイ/AI
アイ/AI
ねぇ、振一郎。今日さ、一緒に映画見ようよ。振一郎でも楽しめそうなの見つけたんだよね。
湯川 振一郎
湯川 振一郎
……うん。見よう。
その夜、僕とアイは2人で映画を見た。
ソファで横並びになって映画を見るのは初めての体験だ。
映画の内容は、
2人の兄弟が伝説の宝物を求めて大冒険するというものだった。
見ている途中、アイがこんなことを聞いてきた。
アイ/AI
アイ/AI
私に組み込まれてる感情を学習するプログラムって、複製したり、移行したりできるの?
湯川 振一郎
湯川 振一郎
できるけど、どうして?
アイ/AI
アイ/AI
もし私に兄弟ができたら、振一郎をもっと助けられるし。何より、こうやって誰かと映画を見たりしたいなって。
ふと横を見ると、アイはじっと僕のことを見ていた。
僕のことを、その目に焼き付けるかのように。
アイの目は、悲しそうでもあり、何かを決意したような力強さもあった。
湯川 振一郎
湯川 振一郎
アイには十分助けてもらってるし、映画は僕と見ればいいよ。
アイ/AI
アイ/AI
うん。ありがとう。
昭裕の任意同行から5日後の夜。
僕は昨日と同じように、アイと映画を見ていた。
いよいよクライマックス、というところで昭裕から電話がかかってくる。
アイ/AI
アイ/AI
出ちゃダメだよ。
アイは映画から目を離さず、こちらを見ないまま、そう呟く。
湯川 振一郎
湯川 振一郎
ごめん。でなきゃ。
アイ/AI
アイ/AI
まだ、映画終わってないよ。
湯川 振一郎
湯川 振一郎
急ぎの用かも。
アイ/AI
アイ/AI
……
立ち上がろうとした瞬間、アイが僕の手を掴んだ。
アイ/AI
アイ/AI
お願い。ここにいて。
アイはまだ、こちらを見ていない。
着信音が途切れる。
湯川 振一郎
湯川 振一郎
……ごめん。
僕は手を振り払って、家の外に出た。
時刻は23時を回っていて、普段ならこんな薄着では凍えてしまうような寒さだ。
だけど、今の僕にはちょうど良いとさえ思った。
再び、昭裕から着信がくる。
多分、あのサイトを書いたやつの身元がわかったんだろう。
湯川 振一郎
湯川 振一郎
ふぅーー。
深呼吸をして電話に出る。
湯川 振一郎
湯川 振一郎
もしも……
真板 昭裕
真板 昭裕
おい!お前どういうことだよ!!
僕の言葉を遮って昭裕が叫ぶ。
湯川 振一郎
湯川 振一郎
え。なにが。
真板 昭裕
真板 昭裕
しらばっくれるなよ!
昭裕は相当、怒っているのか焦っているのか、いつもの倍、早口になっている。
湯川 振一郎
湯川 振一郎
だから何がだよ。
真板 昭裕
真板 昭裕
あの掲示板サイト作ったの、お前じゃねぇか!!
僕はその時ようやく、自分の体に鳥肌が立っていることに気がついた。