中也side__
海外任務を終えた俺は、首領への報告を終え、ポートマフィア拠点の廊下を歩いていた。
2週間も海外にいたから… 此処が少し懐かしい気がする。
あなたの方へと向かう途中、黒服達と廊下ですれ違った。
黒服達は、俺に会釈をし、
通り過ぎると中断していた会話を続行した。
…其れが、俺の耳に届いた。
__血の気が引いていくのが分かる。
今、彼奴等が話してるのは___
俺は走り出した…
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🚪コンコン
あなたの返事を待たずに扉を開けた。
あなたは変わらず書類の整理、記録をしていた。
_____だが、その姿に衝撃を受けた。
左腕にギブス、椅子の横に置かれている松葉杖。
頭や顔に巻かれた包帯、無数の傷跡に痣…
俺はあなたの傍に駆け寄る。
あなたに駆け寄った俺は
あなたの方に少し手を伸ばした…
あなたは俺の少しの動作にも驚いて身を縮こませた…。
あなたside
中也さんが此方に手を伸ばす…
私が身を縮こませると、中也さんは手を引く…
中也さんは何かを考え始めた。
__私は中也さんに迄も怯えてしまっている。
彼は何もしていない…。
そう分かっていても、彼も同じポートマフィアだ。
敵と分かれば私も殺すだろう。
中也さんはしばらく考え込むようにした後、
何かを決めたような表情で私も見つめた…
次の瞬間____
私は中也さんに「抱き締められて」いた。
私は中也さんの躰を押し返そうとした。
___でも、彼は逆に私を強く抱き締める。
中也さんは私の言葉を遮るように云った。
その言葉に衝撃を受けた。
何かを云わなければと思い口を開くも、
再び中也さんの言葉に遮られた。
中也さんが私を見つめる___。
ずっと
叶わぬ恋だと思っていた…
決して叶う事の許されない恋だと。
気持ちを押し殺して…
でも
もし、許されるのであれば______
中也さんは驚いたように目を開く。
私がそう返事をすると、中也は嬉しそうに微笑む。
そして、私を強く抱き締めた。
____その時、扉が開いた。
任務で席を外していた芥川さんが戻ってきたのだ。
中也さんが私から離れながら芥川さんに問う。
中也さんは低いトーンで云った。
…凄い威圧感だ。
其の威圧感にあの芥川さんも1歩後ずさる。
芥川さんが部屋から出ていく
私は震える声でなんとか答えた。
瞳に涙を貯めた私を見て、中也は頭をポンポンと撫でてくれる…。
中也さんが切なそうに微笑むから…
私は耐えきれずに声を押し殺して泣いてしまった…
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中也さんに背中をポンッと押される。
そう云って仕事場を出る。
構成員たちに気づかれないように気配を消して歩く…。廊下を抜け、正面玄関まで辿り着く。
逃げれた…。
そう、ホッと溜め息をついたその時。
目の前には… 異能特務課の先輩、
深月先輩がいた。
異能特務課
それから私は(中也さんと親しくなった事以外の)全てを話した。
私が話している時は、異能特務課の先輩や同僚達は、私の話に耳を傾けていた。
あなたはそう言って微笑む。
__それから、3週間が経った。
自宅にいたあなたの耳にピーンポーンと、来客を知らせるチャイムが届く。
私は不思議に思いつつも、扉を開けた。
その瞬間、「彼」に抱き締められた。
___もう懐かしく感じる煙草の香り。
煙草の香りに混じる、安心出来るこの匂い…
涙が零れる。
中也さんは私の頭をポンポンと撫でる
私の涙が中也さんの服に染みをつくってゆく…
私が顔を上げると、
中也さんが親指で私の涙を拭ってくれる。
中也さんかま何か呟いたかと思ったら、
次の瞬間、接吻をされていた。
其れは噛み付くような…とても長い口付けだった。
次第に息が苦しくなり、
中也さんの手を軽く叩いて合図をする。
すると、中也さんの唇は離れ_____
.
気づけばそう返事をしていた。
中也さんは私の家に入り、玄関の扉を閉めると、カチャリと鍵をかけ…
再び噛み付く様な接吻をされた。
舌が唇の間を割って入り、私の舌へと噛み付いた。
甘く、蕩けるような接吻に躰に力が入らなくなる。
咄嗟に中也さんが躰を支えてくれる。
中也さんは私をお姫様抱っこして、
ベットへと運ぶ…
ベッドに優しく降ろされた私は、
熱くなった顔を手で包み、顔を背けた。
緊張で躰が震える…
中也さんは私の頬を撫でると再び接吻をする為に顔を近づける… が、軽く唇に触れただけで離れていってしまう。
『__だって、何時でも会えるんだから。』
中也さんはそう云った。
『…はいッ!』
そして、また後日にめちゃくちゃセッ((
…したのは、皆さんには秘密の話。
END
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。